2020 Fiscal Year Annual Research Report
配位環境分析に基づく続成作用が重元素安定同位体比に与える影響の解明
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19H02007
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
中田 亮一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 副主任研究員 (50726958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 聡 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60615251)
岡崎 啓史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究員 (90784257)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 続成作用 / 重元素安定同位体 / 元素分離 / 堆積物コア / 熱水実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では続成作用が堆積物中の重元素安定同位体比に与える影響について熱水反応実験と堆積物コア試料の分析を組み合わせて解明することを目的とし、①安定同位体比分離法および分析条件の確立、②天然試料採取と同一層準決定、③熱水反応実験、④天然試料および実験試料の安定同位体比および配位環境分析という4つの研究ステップを4年間で行う計画をしている。 2020年度は①の元素分離法および分析条件の確立に加えて、②の国際深海科学掘削計画(IODP)第346航海で採取された新第三紀の日本海堆積物コアの分析を開始した。①について、Fe安定同位体比測定では、これまで行われていたCuを添加してピークジャンプ測定を行い、Cu同位体比からFe同位体比を補正する手法よりも、Niを添加してピークジャンプをせずにNi同位体比でFe同位体比を補正することで、分析精度の大幅な向上を実現した。②については、当初予定していた倍の試料を入手したことから、試料処理に要する時間が大幅に増えたことも影響し、同一層準決定までは達成できていない。しかし、蛍光X線分析による主成分元素濃度測定およびICP-MS分析による微量元素濃度測定は合計221試料で完了している。③については、引き続きブランク実験を行い基礎データの取得を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定よりも倍以上の試料を入手して分析していることに加え、新型コロナによる研究所閉鎖などの影響で同一層準決定までは実現していないが、より学術的価値のある高時間解像度での天然試料分析を遂行していることを考えれば、おおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、当初予定通り引き続き②天然試料採取と同一層準決定、③熱水反応実験と④天然試料と実験試料の安定同位体比および配位環境分析を推進する。
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Research Products
(30 results)