2019 Fiscal Year Annual Research Report
Consistent method for optimal design and manufacturing based on the unified geometrical feature evaluation by the partial differential equation
Project/Area Number |
19H02049
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 崇恭 京都大学, 工学研究科, 助教 (30598222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正宗 淳 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50706538)
黒田 紘敏 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (80635657)
寺本 央 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (90463728)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | トポロジー最適化 / 法線ベクトル場の構成 / 偏微分方程式 / 幾何学的特徴量 / 設計生産統合型トポロジー最適化 / レベルセット法 / 幾何力学 / 山田方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,幾何学的特徴量を一元的に評価可能な偏微分方程式系を確立し,製造工程及び組立工程から要求される様々な幾何学的条件に対する統一的な数理モデルを構築し,さらには,その数理モデルとトポロジー最適化法に基づき,製造工程及び組立工程を考慮した一気通貫型の最適形状創成設計製造法を構築を目的としている.令和元年度は,基本的な幾何学的特徴量のひとつである「法線ベクトル」に着目し,熱方程式及び山田方程式のそれぞれの解から構成できることを証明した.具体的には,熱方程式の初期的挙動を用いて,その状態変数の勾配の向きが法線ベクトルに強収束することを証明した.特筆すべきことは,幾何学的特異点においても,法線ベクトルを定義できる点である.山田方程式では,その状態変数のベクトル場の向きが法線ベクトルに弱収束することを証明した.この内容については,査読付きの学術雑誌への投稿論文としてまとめ,令和元年度において草稿を完成させるに至った. また,構成された法線ベクトルを用いて,金属積層造形における製造条件を定式化した.さらには,レベルセット法に基づくトポロジー最適化法に展開し,金属積層造形による製造条件付きトポロジー最適化法を開発した.開発した方法論の妥当性を確認するために,剛性最大化問題における数値解析を実施し,いくつかのベンチマークテストにおいて,方法論の妥当性を確認することができた.この内容については,査読付の学術雑誌へ論文として投稿し,査読を経て採択及び掲載に至った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は,熱方程式と山田方程式により法線ベクトル場を構成できることを厳密に証明することができた.具体的には,初期値を対象形状に対応する特性関数とし,熱方程式の初期挙動として,状態変数の勾配の大きさによりベクトル場を定義する.このベクトル場が法線ベクトルに強収束することを示した.また,山田方程式では,その状態変数のベクトル場の向きが法線ベクトル場に弱収束することを示した.さらには,金属積層造形による製造条件を法線ベクトル場により定式化し,トポロジー最適化問題における制約条件として定式化に成功した.これにより,トポロジー最適化において,金属積層造型法における製造条件を考慮可能とした.これらの成果は査読付学術雑誌への投稿論文としてまとめることもできた. また,幾何力学の構想(幾何学的特徴に対する仮想的な物理モデル)について検討を進め,今後の展開の指針についても,分担者との議論により明確化することができた. 以上の理由から,研究課題全体として,おおむね順調に進展しているとの判断に至った.
|
Strategy for Future Research Activity |
他の幾何学的特徴量に対しての定式化を進めるために,山田方程式,熱方程式について詳細な検討を進めるとともに,他の方程式の特徴についても徹底的に調査し,整理を行う.これにより偏微分方程式全体を通して,より合理的かつ体系的な理論体系の構築を目指す. 一方,機械工学における製造条件において,特に重要となる厚みの定式化に対して,重点的に取り組む.またその他の幾何学的特徴量の中で,機械工学における製造条件において重要な項目を列挙し,整理を行う. 今後,機械工学を中心に大規模設計問題への展開を見据えて,計算量についても考慮しなければならない.現在対象としてる山田方程式及び熱方程式においての特徴について整理し,問題設定に応じて使い分けができるように,その分類と方法についても明確化する. 昨年度までと同様に研究メンバー全体の定期的な議論の場を設けて適宜情報共有しながら推進する.令和二年度の前半においては,対面での議論の場を設けることが困難となる状況が想定されるため,当面の間はインターネットを利用した議論の場を設け,適宜情報共有を行いながら,研究を推進する.
|
Research Products
(3 results)