2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of active heat transfer control of metallic nanowires by career control techniques
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19H02168
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣谷 潤 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80775924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 麗君 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80809195)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金属ナノワイヤ / 熱伝導 / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は金属ナノワイヤのキャリア制御を実証するために様々な膜厚の金属薄膜とイオン液体を用意して電気伝導の変調実験を行った。金属薄膜の膜厚を薄くするに従って変調される電気抵抗の割合は増加することを確認することができた。さらに熱伝導率計測用に薄膜下部の酸化膜をエッチングすることで金属薄膜が架橋された構造の作製を試みた。薄膜を薄くすると電気伝導変調効果は大きくなるが、架橋構造を作ることが困難となっており、引き続き構造やエッチング時間などの条件検討を進める。熱伝導率計測手法に関しては、ラマン分光装置に真空チャンバーを組み込むことで、様々な薄膜系材料の熱伝導率計測手法を確立した。 また大面積化を目指してナノワイヤなどのナノ材料の大面積薄膜形成技術の確立を試みた。超臨界乾燥法を用いることで、乾燥時の表面張力の影響を受けることなく大面積で均一な薄膜精製手法を確立することができた。この薄膜形成手法に金属型の原子層材料を用いることで、大面積で均一な数ナノメートル厚さの薄膜作製手法の確立を次年度の研究課題とする。この薄膜の電気伝導変調を進めつつ、ラマン分光法などを用いて熱伝導率計測を行って行く。原子層材料の実験に関しては中国清華大学のグループと共同で研究を開始しており、次年度以降詳細検討を進めていく方針である。 またシミュレーションでは、第一原理計算手法の計算環境の構築を行った。計算コストを低減させるために機械学習を用いた結果、低計算コストでMgなどの金属材料のポテンシャルを再現することができた。次年度以降はシミュレーションに関しては引き続き、金属型の原子層材料などを対象に計算を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子線リソグラフィを用いて金属薄膜のキャリア制御可能なデバイスを作製することができた。さらに金属薄膜の厚さに応じた電気抵抗変調効果を確認できている。熱伝導率計測に関しては、金属薄膜の架橋構造に関してトラブルが続いているが、金属型の原子層材料のキャリア変調を行うことで代替できると考えている。またラマン分光法を用いて薄膜系の熱伝導率計測が可能な測定系を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の金属材料だけでなく、金属系の原子層材料なども加えてそのキャリア変調効果を探究する。これにより金属材料時に問題となっていた、金属薄膜形成時の結晶粒界による影響の問題も解決できるのではと考えている。さらにシミュレーションに関しても原子層材料を対象として引き続き第一原理計算による計算環境の構築を行い、その熱伝導率や電気伝導に関して調査を進めていく予定である。
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Research Products
(14 results)