2020 Fiscal Year Annual Research Report
Performance of embankment deteriorated by repeated seepage flow against earthquake/flooding
Project/Area Number |
19H02232
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 章浩 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (40293047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 一輝 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90771965)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 繰返し浸透 / 内部浸食 / 土構造物 / 耐災性 |
Outline of Annual Research Achievements |
常に浸透流にさらされている堤防のような土構造物は,細粒分の流失やパイピングといった内部浸食を受けており,時間とともに劣化していく.この浸食は土構造物の内部で発生する現象であることから,劣化の程度を表面から判断することが難しい.本研究は,繰返し浸透流を受ける土構造物の浸食進展過程の解明と,そのような浸食の土構造物の耐震性への影響を調べることを目的としている. 2年目である2020年度は,浸食の進展を把握するための表面沈下の詳細計測システムを構築した上で,本研究で開発した遠心模型実験用環境制御装置を用いて,繰返し浸透流による堤防の劣化の進展を調べるための浸透実験と,劣化した堤防の振動台実験(耐震性を調べる実験)を実施した.その結果,開発した装置により,浸透流による盛土の変形,すなわち土骨格の変形を伴わない細粒分の流出(suffusion)の発生を再現することができた.また,浸透時間を変化させた実験から,細粒分の移流は川表側から徐々に定常状態となり,川裏側に向かってその領域が拡大することを明らかにした.更に,このように劣化した堤防に地震動を与えることにより,内部浸食によってせん断波速度(剛性)が低下し,その程度は浸透時間が長いほど大きいことを示すことができた. 更に,繰返し浸透流により劣化する土の力学特性を把握するための要素試験も昨年度に引き続き実施した.これにより初期の細粒分含有率が異なる土の要素レベルでの劣化挙動を把握することができ,浸透流で劣化した堤防の耐災性評価に必要な情報についても得ることができた.また,要素試験の情報を踏まえて,浸透流により内部浸食された土の構成則についても検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
繰返し浸透流による堤防の劣化の進展を調べるための浸透実験,繰返し浸透流により劣化する土の力学特性の要素レベルでの把握,これを踏まえた土の構成則の検討を順調に進めることができた.劣化した堤防の振動台実験については2021年度に実施予定だったが,これを一部前倒しして実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初の計画以上に進展している.来年度は,浸食形態・程度の異なる土構造物の耐震性を調べる浸食実験・振動台実験を行いつつ,これまでの結果を踏まえて,劣化を考慮した土構造物耐災性能評価法について検討する予定である.
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Research Products
(6 results)