2019 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study of the Formation and Reorganization of Urban Infrastructure and Residential Districts in modern East Asian Cities
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19H02335
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
奥冨 利幸 近畿大学, 建築学部, 教授 (70342467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 竜一 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (10396913)
包 慕萍 東京大学, 生産技術研究所, 協力研究員 (40536827)
岡村 健太郎 近畿大学, 建築学部, 講師 (50737088)
林 憲吾 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (60548288)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 東アジア / 住宅地 / 都市開発 / 都市基盤 / ガーデンシティ / モダニズム / 住宅改良運動 / 都市計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、計画通り大連、ソウル、上海にて近代に開発された大規模住宅地を現地調査し、住宅の実測、コミュニティの沿革、住民構成及び生活様式についてインタビューをして、多言語文献の収集を行った。また、2020年2月に本研究チームの国内外の研究者を招集し、「東アジア住宅地計画及び開発におけるモダニズム・ガーデンシティ思想の影響に関する研究」の研究会(The International Symposium “Studies on the influence of modernization and garden city movement in East Asian residential planning and developing”)を開催し、20世紀以降の東アジア住宅地建設の実態を中国、韓国、日本の研究者により明らかにし、また、ロシアにおけるガーデンシティ思想の受容と伝播についてロシア人の研究者によって明らかにした。よって、東アジアの住宅地計画、開発全体像を把握して、次年度から各フィールドでどのような調査、研究を展開していくのかを討議できた。次年度の具体的な研究対象、調査地の選定などを明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究計画通りに進行している。1920―30年代の大連、上海の住宅地開発事例の現地調査を実施できた。満洲建築界におけるガーデンシティ思想の受容について、満洲建築雑誌から明らかにした。ソウルの近代住宅地開発について、既往研究の網羅及び整理ができた。また、広州におけるガーデンシティ思想の導入ならびに模範住宅、華僑新村に関する中国語文献および既往研究のレビューを行った。また、日本と中国の戦後住宅史を比較して、年表を作成した。特に、国内外の共同研究者が集まり、全体の研究会および打ち合わせを実施したことで、基礎的な年表及び事例の共有により、国別に分化されていた近代住宅に関する研究の統合に向けて、前進できた。ただし、新型コロナの拡大により、予定していた一部の現地調査が実現できず、次年度に移行することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、引き続き、東アジアの近代住宅地の事例を現地調査によって把握することに専念する。特に、前近代の住宅地よりも顕著な特徴となる多国籍、多人種が共住する住宅地に着目し、三つの研究対象に絞り、調査研究を深める。一つ目は、東南アジアやオーストラリアから広州に戻った華僑による「花園新村(ガーデン、ビレッジ)」の都市開発経緯を明らかにする。二つ目は、上海の旧フランス租界に形成されたロシア人住宅地の調査に着手する。三つ目は、ソウルの郊外住宅地の用地計画、平面構成などを調査し、日本人による満洲での住宅地開発との比較研究を行う。
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Research Products
(6 results)