2019 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管疾患リハビリにおける責任病巣と障害像に基づく多職種の標準計画作成手法の開発
Project/Area Number |
19H02381
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 省吾 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 訪問研究員 (80516766)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水流 聡子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80177328)
井手 睦 産業医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70248590)
矢作 尚久 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 主幹研究員 (30365431)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | リハビリテーション / 標準化 / 品質管理 / 社会システム / 質分析 / 理学療法 / 作業療法 / 言語聴覚療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、患者の回復過程に沿って標準的な治療内容を段階的に整理した「リハビリパス」の構築を進めている。 本研究では、医師の診断による責任病巣から患者の障害像を特定し、患者の障害に対して必要な評価・介入を行うためのリハビリ計画を立案し、療法士および看護師などの関連職種がリハビリを実施・管理することで、患者状態の回復および悪化予防効果を最大化させるための一連の方法論を開発することを目的とする。 研究組織には研究機関の研究者およびフィールド病院の研究協力者(意思、各専門の療法士、看護師などそれぞれ複数名)が参画しており、研究代表者・分担者と協力して、下記6つの課題に取り組んでいる。 (1)知識マトリクスの構築:対象とする障害を構造化し、責任病巣に起因する障害を特定するためのマトリクスの原案を構築した。また、機能評価に用いる検査バッテリーを構造化した。 複数病院で個別に原案を作成した。(2)療法士版コンテンツの構築:ST言語コンテンツ、PT基本動作コンテンツ、OT作業動作コンテンツの初期臨床プロセスチャートと移行ロジックの原案を構築した。それぞれ、評価項目の原案を構築した。(3)多職種版コンテンツの構築:ST嚥下コンテンツをベースとして、看護師の専門性を考慮して実施可能な評価項目・介入項目の絞り込みと簡略化により、看護師版コンテンツの原案を構築した。(4)コンテンツの実装・評価:構築した各コンテンツについて、パワーポイント・エクセルにより電子版として整理し、実装準備を進めた。(5)施設間ベンチマーク手法の開発:リハビリの進行・効果を施設間で比較評価するための評価指標の原案を検討した。(6)情報流通基盤との連携:情報流通基盤との間で情報連携できる環境を整えるため、嚥下コンテンツの評価項目・介入項目・患者プロファイル項目の整理を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度および2020年度に、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究者がフィールド病院を訪問しての対面作業が制限されたことに伴い、一部の課題進捗に影響があったが、繰り越しおよび再繰り越しを申請し、研究計画の見直しや、WEB会議を積極導入するなど研究方法の見直しをしながら研究を進捗してきた。 再繰り越しが終了する時点では、当初予定していた2019年度の課題をおおむね達成しており、順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大の影響は2020年度以降の研究進捗にも影響を与える可能性があるため、WEB会議を積極導入するなど、研究方法で工夫してきた点について継続して実施していく。 (4)コンテンツの実装・評価にあたっては、実装フィールドにおける業務の効率化と両立することが必須であるため、コンテンツ実装のために二重記録が発生したりして非効率にならないよう、事前に検討および調整を行っていく。
|