2019 Fiscal Year Annual Research Report
可逆的配位数スイッチングを用いた単一マルチフェロイック材料のメモリ応用
Project/Area Number |
19H02426
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安井 伸太郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (40616687)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | マルチフェロイック / k-Al2O3構造 / 強誘電性 / 磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
GaFeO3単結晶およびCr-doped GaFeO3薄膜の作製を行った。まず単結晶においてk相の安定的な作製のために酸素十気圧下でFloating Zone(FZ)法にて単結晶を作製した。FeおよびGaが等量において状態図上では安定作成が可能であるが、これらの不定比組成においては準安定相である。高圧FZを用いることで単結晶育成条件をオプティマイズした結果、Fe量1.3(Ga0.7)組成までの範囲で安定的に育成することを確認した。さらに作製した種々の組成を有する単結晶において磁性を調査した結果、Fe量の増加に従いフェリ磁性のディスオーダー化するキュリー温度は増加する傾向が示された。キュリー温度の系統的な変化より、Feのサイト占有は系統的に変化すると考えられる。さらにScドープしたGaFeO3においてもSc量は0-0.2(Sc量を増加させるにつれてGa量を減少させた場合)の範囲で安定的に結晶育成が可能であった。Sc量の変化に対する物性の変化は現在調査中である。 作製したしたGaFeO3単結晶上に絶縁性のSc-dope GaFeO3薄膜を作製した。下地の単結晶は半導体的な電子伝導を示すゆえに電極材料として用いることが可能であると判断する。作製した薄膜上部にPtパッド電極を作製し強誘電測定を行った結果、計算値の20uC/cm2の半分程度の分極値を示すことが分かった。また、これらの測定は非常に難しく、下地基板の伝導性が不十分であることが原因であり、薄膜成膜条件によって酸素アニールされることから絶縁性上昇されることが同時に理解できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、単結晶育成の条件出しに予定以上の時間がかかったことで薄膜作製への展開が遅延したが、その間に別基板における薄膜作製の条件出しに展開し、遅れを取り戻すことが可能となった。初年度から2年目にかけて繰り越しを行ったが、現時点において当初の予定まで追いつき、現時点ではおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現時点では遅れを取り戻したため、当初の予定通り研究遂行する予定である。
|