2020 Fiscal Year Annual Research Report
希土類酸水素化物薄膜のフォトクロミック特性を活用した光照射電気磁気スイッチング
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19H02596
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 亮太 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (70611953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関場 大一郎 筑波大学, 数理物質系, 講師 (20396807)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 複合アニオン化合物 / 薄膜物性 / 光・電子物性 / エピタキシャル成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
YOxHyエピタキシャル薄膜において、UV照射による光誘起絶縁体-金属転移と、その後のアニール処理による再絶縁化を繰り返し行うことができることを昨年度見出している。今年度は、このメカニズムについて、実験・理論計算の両面から考察した。
まず、実験面として、真空・Ar封止・大気のいずれの雰囲気で光照射による金属化を確認し、薄膜内における外部との元素のやりとりのない閉じた反応であることを確認した。特に系外に抜けやすそうな軽い水素については、核反応分析法による観測により、光照射の前後において薄膜内組成に変化がないことも確認した。さらに、Li8を用いたbeta-NMR測定において、光照射の前後において薄膜内における局所内部磁場の変化が確認され、各スピンを有する最軽量の水素の状態変化を示唆する結果である。これらを総合すると、膜内のHが光照射によって何らかの状態変化を誘起され、その結果光学・電気特性に変化が生じていると考えられる。
上記の実験結果をもとに、水素の状態変化について理論計算を用いた考察を行った。Yのfcc副格子に対して、水素の占有サイトは四面体サイトと八面体サイトが考えられ、特に八面体サイトが価電子帯上端を占めることがわかった。光照射によって、この八面体サイトの水素がヒドリド(H-)から隣接する酸素に結合したプロトン(H+)に変化することで、絶縁体から金属へと変化することが説明できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複合アニオン化合物の薄膜の作製技術に様々な評価技術を組み合わせることが可能となり、光や電場などの外場応答に関する詳細な機構解明が進んできているため。
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Strategy for Future Research Activity |
対象物質を水電解時の水素発生極に用いた「水素電解チャージ法」による光学・電気特性変化を見出しており、これを全固体デバイス化を目指し、さらなる機能発現へとつなげる。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Polarity reversal of the charge carrier in tetragonal TiHx (x = 1.6-2.0) at low temperatures2020
Author(s)
Ryota Shimizu, Yuki Sasahara, Ikutaro Hamada, Hiroyuki Oguchi, Shohei Ogura, Tetsuroh Shirasawa, Miho Kitamura, Koji Horiba, Hiroshi Kumigashira, Shin-ichi Orimo, Katsuyuki Fukutani, and Taro Hitosugi
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Journal Title
Phys. Rev. Research
Volume: 2
Pages: 033467
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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