2019 Fiscal Year Annual Research Report
超キャリアパフォーマンスを実現する塗布型3成分バルクヘテロ薄膜太陽電池の創製
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19H02662
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 岳仁 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (90590125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 有行 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10303190)
荒木 秀明 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (40342480)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 有機無機ハイブリッド太陽電池 / 有機太陽電池 / 薄膜太陽電池 / 相分離構造制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高効率で安価な有機無機ハイブリッド薄膜太陽電池の創製を目指すことを主たる目的としている。光吸収、励起子生成と輸送、電荷分離、電荷輸送を一括して担う、有機無機ハイブリッド発電層の相分離構造に着眼し、発電層内で発現する発電特性を低下させる大きな要因と言える電荷再結合の軽減を目指した「革新的電荷マネージメント」の実現を目指す。
バルクヘテロ構造の発電層を有する有機無機薄膜太陽電池において、ヘテロ界面での電荷再結合割合の定量的評価手法を検証した。具体的にはPL測定による蛍光消光率と発電電流及び熱分析により検証を実施。蛍光強度は電荷分離前の励起子の量に比例し、消光は励起子の失活と電荷分離により発現する。即ち、発電層の内部モルフォロージー(相分離構造)がナノ構造レベルで類似していれば、見かけの電荷分離界面の量はほぼ同等であるため、バルクヘテロ界面における再結合防止層の有無に関わらず、蛍光消光率は概ね近い値を示す。具体的に再結合防止効果が期待できる化合物の添加を行い、相分離構造の検証と発生する光電流や限界電流を対比させ、再結合により損失している割合を調査。
この一連の評価と検証によりヘテロ界面での再結合の発生について定量的評価手法の構築の可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はPL測定による蛍光消光率と発電電流及び熱分析により発電層中の相分離構造検証を行い、当初計画していたヘテロ界面での電荷再結合割合の定量的評価手法の確立にアプローチする本手法の有効性を確認。このような観点から本研究課題の進捗状況については概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は再結合防止効果を有する電荷マネージメント層を無数に存在するバルクヘテロ界面に完全導入するための効果的手法を検討する。主に相分離構造制御手法として用いてきたSP値の概念を活用し、溶解性や誘電率の観点から本系に適した再結合防止を目的とした化合物の選定にも着手する。前年度に提案した評価手法の活用により、電荷分離効力の保持と再結合防止機能が両立した革新的電荷マネージメント層のヘテロ界面への導入を目指す。
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Research Products
(23 results)