2021 Fiscal Year Annual Research Report
個体別環境センシングが可能にするトマト難解析形質の分子遺伝学的研究
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19H02951
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山本 英司 明治大学, 農学部, 特任講師 (40738746)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トマト / トランスクリプトーム / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
トマト農業生産に深刻な被害をもたらしている果実生理障害の発生には様々な環境条件が複雑に関与するとされているが、栽培試験ごとに発生時期・程度が異なるなど形質発現が不安定であり、よって生産現場における主たる発生要因は明らかになっていない。 本年度は、昨年度取得したサンプルを用いてRNA-seq実験を行った。本実験には、ゲノムワイドなSNP情報に基づいて選ばれた3品種を供試し、発達段階として、着果期および肥大期の2条件、器官には、果実と葉の2条件を用意した。また概日リズムの影響も考慮して、昼と夜にそれぞれサンプリングを行った。 RNA-seq実験の結果、トマト参照ゲノム配列データに登録されている35,768遺伝子(ITAG3.2)のうち、本実験で遺伝子発現が確認されたものは30,047遺伝子であった。いずれの発達段階および器官においても、品種間で発現量の異なる遺伝子は検出できなかった。トマトの果実肥大は夜間に観察される。そこで、昼・夜で遺伝子発現を比較した結果、着果期の果実において発現量が変化する遺伝子は1つであったが、肥大期では1125に増加した。葉においては、着果期に発現量が変化する遺伝子は1129である一方、肥大期では4791であった。これらの結果は、果実の肥大期には着果期と比べて、果実と葉の両方で、よりダイナミックな生理的変化が起きていることを示唆している。 今後は、環境変動とトランスクリプトームとの関連解析を進めるとともに、トランスクリプトームデータを用いた表現型予測統計モデリングの精度向上を目指す。具体的には、特徴的な発現量変化を示した遺伝子でグループを構成し、その遺伝子グループ上に存在する変異サイトのみを用いて、昨年度と同様の統計モデリングを行う。発現量変化がトマト果実の表現型と関連するのであれば、上記アプローチによる統計モデル予測精度の向上が期待できる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)