2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of REDD+ safeguard for controlling extensive monocultures
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19H02997
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 教授 (00231150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光田 靖 宮崎大学, 農学部, 教授 (30414494)
平田 令子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50755890)
加治佐 剛 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (60538247)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱帯林 / 生物多様性 / 大規模プランテーション / Land sparing / モノカルチャー / Land sharing |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)大規模MP内部の生物多様性評価: カンボジア中北部の早生樹・ゴム等のMPを踏査し、調査候補地を選定するとともに、一部で植物種多様性の調査を開始した。また近隣に残存する自然林パッチにおいても林床の出現植物種の調査をおこない、大規模MP造成による影響を評価するためのレファレンスデータを取得した。 (2)里山的森林利用における生物多様性評価: カンボジアにおける既往試験地のモニタリングを行い、里山二次林の部分列状伐採がEnrichment plantingされた在来有用樹種の成長に及ぼす影響を明らかにした。また、過去のデータと合わせて、里山的二次林と発達した林分の植物種多様性の違いを分析し、指標種を抽出した。 (3)アグロフォレストリー林分における生産性と生物多様性評価: これまでの課題で設定してきた試験地で植物種のモニタリングを行うとともに、新たに林冠(メルクシマツ)の疎開度および下層の栽培作物種の組み合わせの異なるアグロフォレストリー林分12地点に調査地を設定し、1年目の植物種組成データを取得した。また、パッチ状に分布する3種のアグロフォレストリーで行った植物調査の結果をAdditive partitioning法で分析し、異なるアグロフォレストリーで構成されるパッチモザイクが高い植物種保全機能を有することを明らかにした。さらに、各パッチを、林縁・林内に区分しておよび林縁効果を評価した。 (4)シミュレーションによる大規模MP影響評価: 衛星画像を用いてカンボジアシムリアップ州における過去20年間のMP拡大状況と景観構造変化を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)大規模MP内部の生物多様性評価: カンボジアの早生樹・ゴム等のMPの一部で植物種多様性の調査行った結果、植物種多様性がゴム林の林齢に強く依存していること、および初期の除草剤使用が、その後の生育植物相にも強い影響を与えている傾向が把握できている。また、カンボジアのゴム庁との協議の結果、他樹種を混植したゴム林および除草剤使用を軽減したゴムMPを調査対象に加えられることになっており、次年度以降、Land SharingのGood practiceの検証が可能となっている。 (2)里山的森林利用における生物多様性評価: カンボジアにおける既往試験地のモニタリングおよび過去のデータの分析により、里山的二次林の発達度を指標する植物種群が暫定的に抽出できている。 (3)アグロフォレストリ林分における生産性と生物多様性評価: これまでの課題で設定してきた試験地で植物種のモニタリングを行うとともに、新たに林冠疎開度と下層の栽培作物種の組み合わせの異なるアグロフォレストリ林分で植物種調査を行い、林冠構造のみならず、栽培作物種によっても種多様性が異なることを明らかにしている。 (4)シミュレーションによる大規模MP影響評価: カンボジアシムリアップ州における過去20年間のMP拡大状況と景観構造変化を解析した結果、MPの急速な拡大により従来の小規模伐採が著しく減少していることを見出だした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)大規模MP内部の生物多様性評価: カンボジアPreah Vihear州の調査地で、前年度調査MPと林齢の異なるゴムMPの植生調査を行う。また、新たにKampong Cham州のカンボジア国ゴム庁試験林において、他樹種を混植したゴム林および除草剤使用を軽減したゴムMPの植生調査を行い、Land SharingのGood practiceの可能性を検討する。 (2)里山的森林利用における生物多様性評価: カンボジアSiem Reap州に設置した固定試験地のデータの分析によって得られた二次林の遷移過程と指標種について、他の地域の固定試験地データを用いてその妥当性と有用性の検証を行う。 (3)アグロフォレストリ林分(AF)における生産性と生物多様性評価: インドネシアEast Java州に設定したAF調査地のモニタリングを行うとともに、上層にマツ以外の樹種が植栽されたAF調査候補地を選定し、林分構造・下層植生および昆虫層の調査を行い、前年度の結果と比較分析する。 (4)シミュレーションによる大規模MP影響評価: 衛星画像を用いてカンボジアPreah Vihear州における過去20年間の自然林伐採状況および景観構造変化を解析し、シミュレーションモデルのためのパラメータ抽出を行う。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Occurrence of plant species in three types of agroforestry patches neighboring each other in East Java, Indonesia2019
Author(s)
Umar YS, Hirayama T, Ito S, Matsukura M, Mizokuchi M, Setiawan A, Mitsuda A, Hirata R, Kajisa T, Tarno T, Wicaksono KP, Sugiharto AN
Organizer
植生学会第24回大会
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[Presentation] Monitoring the human disturbance regime in Siem Reap Province, Cambodia from 1990 to 2017 using landsat images2019
Author(s)
Sakoda, A., Mitsuda, Y., Kajisa, T., Ota, T., Hirata, R., Ito, S.
Organizer
ICLEE2019
Int'l Joint Research