2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and restoration for a large-scale shallow landslides caused by the 2018 Eastern Iburi Earthquake
Project/Area Number |
19H03000
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
柳井 清治 石川県立大学, 生物資源環境学部, 特任教授 (20337009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮井 聡 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林業試験場, 主査 (10723190)
中田 康隆 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (10827041)
百瀬 年彦 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40742515)
勝見 尚也 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40769767)
大丸 裕武 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (60353744)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胆振東部地震 / 斜面崩壊 / テフラ / 植生回復 / 森林造成 / 残存植生 |
Outline of Annual Research Achievements |
斜面崩壊後4年が経過し、斜面内では植生の回復が始まりつつあるが、微地形や周辺環境による違いが顕著となっている。今回、植生回復に影響を与える要因を解明することを目的とし、現地のDEMによる地形解析と現地の植生・土壌調査、斜面のドローン撮影および衛星写真による画像解析を行った。その結果、植生はオオアワダチソウ、ヤナギ類、フキなどの出現頻度が高く、特に南部地区ではカラマツ稚樹の個体数の増加が顕著であった。カラマツの分布は、地形条件として斜面角度が変わる遷急線の上部斜面に多い傾向があり、中でも崩壊時に上部から滑落し斜面上に停止した植生盤や崩壊地周辺から供給された倒木周辺に特に多かった。一方、これらが残っていない斜面には稚樹が殆ど見られなかった。様々な要因のうち、斜面角度と残存植生が植生回復に影響していると考えられた。 また2022年に火山灰土堆積地におけるカラマツ苗木深植えの干害対策効果を検証した。胆振東部地震の崩壊地調査の結果から堆積土内に占める割合が最も多いと考えられる Ta‐dを充填したポット内において、カラマツ苗木を普通植えおよび深植えした後,夏季に降雨遮断を行い,ポット内土壌の体積含水率,地温を測定するとともに,植栽したカラマツ苗木の生育状況,樹勢の推移を調査した。その結果、夏季に無降雨が続くとTa-dにおけるカラマツ植栽木は干害で生育が阻害される。ただし、カラマツ植栽木を深植えすると、短期的には体積含水率の低下を遅らせることができ、樹高成長量の低下を軽減できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により、交通手段が制限されており現地調査で十分なデータを収集できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)崩壊メカニズムの解析に関して、コロナの影響で現地調査が滞っていた先行降雨が地震の振動による斜面崩壊に与えた影響の評価、岩石の風化と岩石強度の関係、などについて補足的に現地で調査を行う予定である。 2)生育立地の栄養状態・炭素窒素などの土壌分析については2022年に崩壊斜面で土壌サンプルを採取/分析を完了したが、引き続き植生の回復の違いとそれを規定する要因を解析する予定である。 3)生育基盤別の表土安定工の導入試験については2022年に調査地を設定したところである。表土安定工凍上倒伏防止の効果について、融雪後の2023年春に調査を行う予定である。 4)生育基盤別の植生導入試験については、2019年~2022年に崩壊斜面における生育基盤別植栽試験地において、植栽木3樹種の3年間の生育状況を調査した。3年間の生育状況の取りまとめについては、論文を完成させ公表する予定である。
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Research Products
(3 results)