2019 Fiscal Year Annual Research Report
Function analysis of the viral factors which regulate the pathogenicity of classical swine fever virus
Project/Area Number |
19H03115
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
迫田 義博 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40333637)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 博史 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (10440067)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 豚コレラウイルス / 病原性 / ウイルス因子 / 機能解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
豚コレラウイルスの多様な病原性の分子基盤を理解するためには、豚コレラウイルスの病原性に関与する新規ウイルス因子の同定と、既報のウイルス因子との相乗効果を評価する必要がある。さらに、準種(Major集団とMinor集団)に由来するウイルス蛋白の活性バランスが病原性発揮に寄与することを証明することが必要である。 そこでまず、2019年に日本国内のイノシシから分離された豚コレラウイルスCSFV/wb/Jpn-Mie/P96/2019株をブタに実験的に感染させ、その病原性が中程度であることを確認した。またこのCSFV/wb/Jpn-Mie/P96/2019株の全遺伝子配列を決定した。さらにCSFV/wb/Jpn-Mie/P96/2019株、近年海外で分離された野外株、高病原性標準株および弱毒生ワクチン株のアミノ酸配列を比較し、新しい病原性因子と考えられるウイルス蛋白および遺伝子領域の特定を試みた。その結果、ウイルス構造蛋白Ernsの病原性関連ドメインであるRNase活性ドメインとは異なる領域にウイルスのアポトーシスを制御する機能があることを明らかにした。 この結果を基に、豚コレラウイルスのErns蛋白のアミノ酸をアポトーシスを誘導するアミノ酸に置換した変異ウイルスをリバースジェネティクス法により作出した。この組換えウイルスをブタに接種したところ、ウイルスの体内増殖に影響を与えないものの、接種豚における病原性スコアの優位な上昇を確認した。以上より、Erns蛋白上の病原性に関与する新規ドメインを同定することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3つの作業仮説、①病原性に関与するウイルス因子が他にもある、②ウイルス因子の複数が相乗的に働く、③ブタ体内でウイルスは単一集団ではなく準種であり、Major集団とMinor集団由来のウイルス因子の活性のバランスが病原性を決める のうち、①を支持する結果が予定通り得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究における作業仮説のうち、②ウイルス因子の複数が相乗的に働く、③ブタ体内でウイルスは単一集団ではなく準種であり、Major集団とMinor集団由来のウイルス因子の活性のバランスが病原性を決める ことを支持するエビデンスを得るための研究を計画通り進める。
|
Research Products
(8 results)