2020 Fiscal Year Annual Research Report
Function analysis of the viral factors which regulate the pathogenicity of classical swine fever virus
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19H03115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
迫田 義博 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40333637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 博史 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (10440067)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 豚コレラウイルス / 豚熱ウイルス / 病原性 / ウイルス因子 / 準種 / 機能解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
豚コレラ(豚熱)ウイルスの多様な病原性の分子基盤を理解するためには、豚熱ウイルスの病原性に関与する新規ウイルス因子の同定と、既報のウイルス因子との相乗効果を評価する必要がある。さらに、準種(Major集団とMinor集団)に由来するウイルス蛋白質の活性バランスが病原性発揮に寄与することを証明することが必要である。 そこで昨年度に同定したErns蛋白質の362番目のアミノ酸部位に加え、Erns蛋白質の有する自然免疫調節機構の中心を担うと考えられているRNase活性の中心の前後に位置する330番目および374番目のアミノ酸部位も病原性に関連するドメインとして新たに同定した。特に362番目のアミノ酸置換を導入した組換えウイルスと同様に330番目にアミノ酸置換を導入したウイルスもブタに対する病原性が上昇することがわかった。またエンベロープ蛋白質に加えて、NS2、NS4B、NS5Aの非構造蛋白質に存在する5つのアミノ酸部位も豚における病原性関与することがわかった。以上より、複数のウイルス蛋白質による相乗効果により豚熱ウイルスの病原性のレベルが規定されていることが示唆された。 また国内で流行している豚熱ウイルスのイノシシにおける感染動態を調べた結果、急性感染後死亡する個体に加え、感染後に治癒し高い免疫を獲得した個体、また慢性的な持続感染状態と考えられる個体を特定することができた。これらの国内分離株の遺伝子解析の結果、上記の通り新たに同定した病原性関連ドメインのアミノ酸は、これら中程度の病原性を持つ野外豚熱ウイルスの株間で保存されているものが多いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3つの作業仮説、①病原性に関与するウイルス因子が他にもある、②ウイルス因子の複数が相乗的に働く、③ブタ体内でウイルスは単一集団ではなく準種であり、Major集団とMinor集団由来のウイルス因子の活性のバランスが病原性を決める のうち、②を支持する結果が予定通り得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における作業仮説のうち、①病原性に関与するウイルス因子が他にもある、②ウイルス因子の複数が相乗的に働く、ことを予定通り証明することができた。よって、③ブタ体内でウイルスは単一集団ではなく準種であり、Major集団とMinor集団由来のウイルス因子の活性のバランスが病原性を決める ことを支持するエビデンスを得るための研究を計画通り進める。
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Research Products
(8 results)