2020 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of cell proliferation and differentiation in the acquisition of uterine receptivity
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19H03144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣田 泰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40598653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 広史 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50804506)
金谷 真由子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60748862)
清水 良子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30348643)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮内膜上皮 / 細胞増殖 / プロゲステロン / 胚浸潤 / RB / ネクロプトーシス / LIF / STAT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜上皮のプロゲステロン受容体PGR欠損マウスの作成により、子宮内膜上皮のPGRは上皮の細胞増殖抑制作用と上皮と間質のプロゲステロン(P4)応答遺伝子発現調節とにより胚接着を調整していることがわかった(Endocrinology 2020)。子宮の網膜芽細胞腫遺伝子RB(遺伝子名Rb1)欠損マウスにより、P4補充が子宮内膜上皮の細胞増殖能を抑制しRB欠損子宮の着床障害が改善すること、胚浸潤の過程ではP4作用誘導性の子宮内膜上皮細胞死(ネクロプトーシス)と胚側の栄養膜細胞による貪食が重要であること、子宮のRBがP4作用と協調して子宮内膜上皮の細胞周期抑制を誘導し胚のTNFαにより子宮内膜上皮のネクロプトーシス、栄養膜細胞による上皮の貪食、上皮の消失の過程を経て、胚浸潤が起こること、が示された(EMBO Rep 2021)。ヒト着床期の子宮内膜の管腔上皮において、着床障害患者では細胞増殖能が亢進しており、ヒト着床期子宮内膜において細胞増殖能を評価することで着床能が予測できることが示された(EMBO Rep 2021)。着床に重要なサイトカインであるLIFの細胞内シグナルと知られる転写因子STAT3に着目し、子宮内膜上皮・間質のSTAT3欠損マウスを作成した。子宮内膜上皮のSTAT3が着床期の子宮内膜管腔のスリット状形態変化を調節し、間質のSTAT3が子宮内膜上皮のエストロゲン応答と細胞増殖を抑制し、いずれも胚接着に必須であることが示された(Sci Rep 2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究が予想以上に進展し、令和2年度に多くの原著論文が発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗が認められた研究を重点的に進める。さらなる研究の発展が期待できる。
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