2020 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞ヒトプロテインアレイを用いた薬剤依存的相互作用タンパク質同定技術の開発
Project/Area Number |
19H03218
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
澤崎 達也 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (50314969)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サリドマイド / 催奇形性 / 蛋白質分解 / ユビキチン / 分子のり / 蛋白質 / タンパク質分解誘導剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では目的は2つある。サリドマイドとE7820をモデルに、1) ヒト全タンパク質レベルで薬剤依存的に相互作用するタンパク質を同定できる技術の開発、2) 新しく見出した基質タンパク質の細胞レベル、個体レベルの解析、および構造解析を進め、タンパク質分解誘導薬剤サリドマイド・E7820の薬効作用点の解明である。そこで本年度は、2万4千種類からなるヒトプロテインアレイを用いた大規模スクリーニングにより薬剤依存的に相互作用するタンパク質の網羅的解析と、細胞生物学的解析を行った。また、高分解能でないと薬剤の電子密度が明らかとならないため、出来るだけ小さなタンパク質での構造解析に着手し、1.8オングストロームレベルの構造解析に成功した。 I.2万4千種のヒトプロテインアレイを用いたCRBN-サリドマイド基質およびDCAF15-E7820基質の大規模スクリーニング:前年度の中規模スクリーニングの結果からスクリーニング系の条件をタンパク質の量や薬剤濃度などのファインチューニングを行い、2万4千種類のヒトプロテインアレイを用いて大規模スクリーニングを行い、網羅的な基質探索を行い、新規ネオ基質候補PLZFを見出した。 II.薬剤依存的に相互作用する新規基質タンパク質の機能解析:生化学的解析および細胞生物学的解析を行い、新規に見出したPLZFは、サリドマイドおよびサリドマイド誘導体によりCullin4-CRBN複合体により分解誘導されるネオ基質であることが明らかとなった。さらに、催奇性誘導因子であるSALL4を対象に、CRBN-thalidomide-SALL4の複合体の高分解像度(1.8オングストローム)の構造情報の取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画より1年早く、新規ネオ基質PLZFの発見、高分解像度の構造情報が取得できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画の2年間で計画していたCRBNの基質探索は概ね終了したので、今後は、別の薬剤受容体であるDCAF15を対象に基質探索の実験を進める。
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