2019 Fiscal Year Annual Research Report
陸から海にもどった羊膜類の適応形質進化機構の法則を探る
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19H03289
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
土岐田 昌和 東邦大学, 理学部, 講師 (80422921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 洋平 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (30432016)
岸田 拓士 京都大学, 野生動物研究センター, 特定助教 (40527892)
田村 宏治 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70261550)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 羊膜類 / 海生適応 / 適応形質 / 進化 / 比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度はアオウミガメ、ヒロオウミヘビ、フンボルトペンギンの一連の発生段階にある胚の頭部組織切片を作成し、塩類腺の形成様式を詳細に記述する予定であった。しかしながら、年度末に発生した新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、ヒロオウミヘビとフンボルトペンギンについては標本作成ならびにその解析を完了することができなかった。アオウミガメについては、頭部の組織切片を作成し、塩類腺形成様式を記述した。また、当初予定していた羊膜類の腺形成に関与するとされる一連の遺伝子の発現パターンの解析についても、解析の直前に新型コロナウィルス感染症が発生してしまったため、実施することができなかった。ウミガメの胸びれと非海生カメ種の前肢の骨格形成様式を幾何学的形態測定法により定量比較する予定であったが、ウミガメの胸びれと非海生カメ種の前肢の骨格形成の様子を定性的に記述するにとどまり、幾何学的形態測定法を用いた定性的な解析を行うことはできなかった。また、四肢形成に関与すると予想される一連の遺伝子の発現パターンについて、ウミガメと非海生カメ種間で比較する予定であったが、一部の遺伝子についてはin situハイブリダイゼーションによる組織染色の精度が十分ではなかったため、染色の条件を再検討する必要性が生じ、実験を完了できなかった。ウミガメと非海生カメ種の視覚に違いをもたらす分子の有力候補としてオプシンに着目し、その分子構造を種間で比較するために、眼の組織からRNAを抽出し、次世代シークエンスとアセンブルを行うことによりカメ各種のオプシン遺伝子の配列決定を進めた。しかしながら、新型コロナウィルスの感染拡大により研究活動が制限されてしまったこともあり、本解析を完了することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は年度の終わりに新型コロナウィルス感染症の流行が発生し、研究代表者ならびに研究分担者の所属機関において、研究活動の停止が求められたり、著しく制限される形となったため、研究の進捗に遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の収束が未だ見込めない状況であり、今後も研究代表者および研究分担者の所属機関における研究活動が制限される可能性もあるが、研究活動が認められる範囲で、材料の収集や実験によるデータ収集、得られたデータの解析を継続して進めていきたい。
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