2022 Fiscal Year Annual Research Report
陸から海にもどった羊膜類の適応形質進化機構の法則を探る
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19H03289
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
土岐田 昌和 東邦大学, 理学部, 准教授 (80422921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 洋平 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (30432016)
岸田 拓士 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (40527892)
田村 宏治 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70261550)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 羊膜類 / 海生適応 / 適応形質 / 進化 / 比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、塩類腺をもつアオウミガメ、比較種として塩類腺をもたない淡水棲のクサガメおよびスッポンの胚頭部組織切片を作成し、腺形成に関与するとされる遺伝子Fgf10、Bmp4、Bmp7、Shh、Pax6、Gli3、Sox9の発現様式を3種間で評価した。その結果、アオウミガメの胚頭部でのみ、複数の腺形成遺伝子が異所的に発現していることを突き止めた。 ウミガメの胚発生でのみ前指が急激に伸長する背景にある分子基盤を突き止めるため、四肢形成期のアオウミガメ胚、スッポン胚、クサガメ胚の前肢原基からtotal RNAを抽出し、ハイスループットシーケンサを用いてトランスクリプトームの種間比較を行った。その結果、ウミガメ胚の前肢原基でのみ発現が変動している複数の遺伝子が検出された。胚の前肢原基において、これら複数の遺伝子がどのような時空間パターンで発現するのかを評価するため、各遺伝子を3種のカメの胚よりそれぞれ単離した。現在までに、ウミガメ胚の前肢では四肢形成に関与するシグナル分子であるFgf8をコードする遺伝子の発現パターンが変化していることがわかっている。現在、カメ胚前肢においてFgf8遺伝子が発現する領域であるAER(外胚葉性頂堤)の形態を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて詳細に観察しているところである。 海生適応を果たしたペンギンの前肢(胸びれ)は、非海生鳥類の前肢(翼)と比べ硬質化していることが知られている。一連の発生段階にあるペンギン胚の前肢原基を解剖学的に調査した結果、ペンギンでは胚発生中に前肢の指間部が結合組織で満たされることで胸びれが硬質化することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)