2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of metabolism-excitation-contraction coupling in cardiomyocytes through metabolic imaging
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19H03400
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松岡 達 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (00263096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 綾子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00378704)
竹田 有加里 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20582159)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 代謝 / 心臓 / 興奮収縮連関 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
心室筋細胞や洞房結節細胞の機能が、ピルビン酸などの代謝基質によって変動することを見出し、代謝状態や代謝産物が心筋細胞機能制御に関与するとの仮説を得た。本研究では、代謝関連パラメータの単一心筋細胞イメージングと心筋細胞機能との同時測定と、得られた実験データに基づく包括的心筋細胞数理モデルを構築・解析を行い、代謝状態や代謝産物が心筋細胞の代謝-興奮-収縮連関を制御する分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。 2019年度は,マウス心室筋細胞・洞房結節細胞からの微弱な代謝蛍光(NADH・FAD蛍光)シグナルのS/N比を向上させるために、対物レンズの交換、倒立顕微鏡の変更など測定系の改良を行った。 ミトコンドリア代謝数理モデルと包括的心筋細胞モデルを統合した、新しい心筋細胞代謝―興奮―収縮連関数理モデルのパラメータ調節がほぼ完了した。 ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体が起電性かどうかは、これまで明らかにされていなかった。この問題は数理モデル開発上重要な課題であったので、この問題を解決するために、ミトコンドリアパッチクランプ法を確立した。そして、マウス心筋ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体電流の測定に成功し、ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体の膜電位依存性が世界で初めて明らかになった。また、ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体の細胞質Na濃度依存性が明らかになり、数理モデル構築上重要なパラメータが得られた。しかしながら、逆交換(ミトンドリアNaと細胞質Caの交換)に基づく電流測定は困難であった。心筋ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体には、逆交換が生じないための未知の機構が存在するのかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代謝イメージング法の改良ができたこと、心筋細胞代謝―興奮―収縮連関数理モデルのパラメータ調節がほぼ完了したこと、ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体の膜電位依存性と細胞質Na依存性が明らかになったことから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、NADH・FADの蛍光測定系を用いて、種々の代謝基質が心室筋細胞・洞房結節細胞機能に及ぼす影響を詳細に解析する。また、心筋細胞代謝―興奮―収縮連関数理モデルを完成させ、学会発表・論文発表を行う。
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