2019 Fiscal Year Annual Research Report
A new ligand for ALK and its activation mechanism
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19H03415
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 一真 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60612801)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ALK / 受容体型チロシンキナーゼ / デルマタン硫酸 / 神経軸索再生 / 受容体型チロシンフォスファターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
Anaplastic lymphoma kinase(ALK)はリガンド未定の受容体型チロシンキナーゼである。2007年報告のEML4-ALK融合遺伝子は非小細胞性肺がんの約3-5%に認められる。この融合遺伝子産物はリガンド非依存的なチロシンキナーゼ活性を示し、強力ながん進展能を有する。その阻害剤クリゾチニブによる治療は融合遺伝子発見からわずか4年後の2011年に米国で、2012年に日本で承認された。さらにALKの遺伝子異常は神経芽腫など他のがんでも発見されてきた。こうしてALKはがん分野で強いインパクトを持って認知され研究も進んでいる。一方、高発現する中枢神経を含む正常組織で、ALKの機能はほとんど分かっていない。 これまでに我々は、神経軸索再生阻害機構についてコンドロイチン硫酸(CS)とその受容体受容体型チロシンフォスファターゼPTPσがその下流でオートファジー流を中断する機構を見出した(Sakamoto et al, Nature Chem Biol, 2019)。そこでPTPRσに対抗する受容体型チロシンキナーゼがあると考え、新たにALKに強い軸索再生促進能を見出した。PTPRσリガンドCSのアナロジーからALKの新たなリガンドとして硫酸化糖鎖グリコサミノグリカン[2糖繰り返しの長大な糖鎖の総称:CSやデルマタン硫酸(DS)などが含まれる]をスクリーニングして、DSが強力にALKを活性化し、しかも神経軸索再生を促進することを見出した。DSによるALK活性化機構を解明し、その生理・病態への関わりを明らかにすることを目的に研究を進めた。そして、DSにはALKに対してグリコサミノグリカンの中で最も強い結合能があり、4糖以上のDSがALKの自己リン酸化を誘導することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DSによるALK活性化機構の解明を目指した。ALKを活性化させる生理的リガンドの要件は、まず①ALKに対して十分な親和性とクラスタリング誘導を起こすこと、を挙げることができる。このことにアドレスした。 1)DS長とALKの結合について、糖鎖の長さ(鎖長と略す)4糖以上であれば、ALKの自己リン酸化を誘導することを見出した。2)DSとALKの結合様式について、DS鎖長が長いほどクラスター化が進むことが予想されたが、DS 4、6、8、16糖とALK(N末端領域:GST融合タンパク質)の結合について検討した結果、鎖長が長いほど結合が強いことを見出した。3)自己リン酸化について、EML4-ALK融合タンパク質の活性化を考慮すると内在性のALKもクラスター化による自己リン酸化が活性化機構と予想できる。ALK全長の発現ベクターをHEK293T細胞に発現させ、DS 4、6、8、16糖を倍地中に加えてALKの自己リン酸化を示せた。4)ALKの結合ドメインについて、これまでの記述ではDSとの結合をALKのN末端領域で見るとしてきた。Schlessingerらのヘパリンの報告でこのドメインが結合することが示され、実際我々のデータもDSとこのドメインの結合でほぼ全てを説明できた。以上、おおむね予定どおり研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
DS-ALK axisの生理的役割の解明の生理的リガンドの要件の一つは生理的に生体に存在しALKと共存しうる発現を示し、さらに内在性のALKを十分に活性化し、表現型を表出することである。これらにアドレスするために以下の実験を行う。 1)DSプロテオグリカン、DSならびに活性化ALKの局在 DSを担うプロテオグリカン(PG)を総称してDSPGというが、その代表はbiglycan、decorinである。これらの局在を特異抗体(Abcam ab49701、ab175404など)、DSの局在(抗体SIGMA HPA014764など)を特に胎生15.5日の胎仔を用いて中枢神経および末梢神経の投射部位を中心に詳細な解析を行う。ALKについては自己リン酸化(Y1604)(抗体CST #3341など)を見ることにより、生体内での活性化状況を把握できる。中でも、既にDSが成体皮膚、血管等に発現することが知られているので、ALKの状態を注視したい。2)DSが内在性ALKを活性化することの証明 DSが初代培養神経軸索再生をALK依存的に促進することを既に見出している。すなわちALKノックダウンあるいはALK阻害剤クリゾチニブがDSによる軸索再生を抑制する。さらにDSは初代培養神経軸索先端で内在性ALKの自己リン酸化を誘導する。この状況下で、ALKの結合ドメインをデコイとして投与する実験を行う。DSを特異的にトラップするとALK自己リン酸化が抑制されると予想される。また、DSPGの一つbiglycanを発現するCOS細胞と後根神経節の共培養を行う。ここでは後根神経節の神経軸索先端のALKがCOS細胞から分泌されるbiglycan上のDSを感知して、軸索先端ではALK自己リン酸化が起き、さらにCOS細胞寄りに軸索伸長が誘導されることが期待される。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] miR-146a targeted to splenic macrophages prevents sepsis-induced multiple organ injury.2019
Author(s)
Funahashi Y, Kato N, Masuda T, Nishio F, Kitai H, Ishimoto T, Kosugi T, Tsuboi N, Matsuda N, Maruyama S, Kadomatsu K.
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Journal Title
Lab. Invest.
Volume: 99
Pages: 1130-1142.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] CD147/Basigin Deficiency Prevents the Development of Podocyte Injury through FAK Signaling.2019
Author(s)
Yoshioka T, Kosugi T, Masuda T, Watanabe T , Ryuge A, Nagaya H, Kayaho M, Sato Y, Katsuno T, Kato N, Ishimoto T, Yuzawa Y, Maruyama S, Kadomatsu K.
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Journal Title
Am J Pathol.
Volume: 189
Pages: 1338-1350.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Glycan sulfation patterns define autophagy flux at axon tip via PTPRσ-cortactin axis.2019
Author(s)
Sakamoto K, Ozaki,T, Yen-Chun Ko, Cheng-Fang Tsai, Gong Y, Morozumi,M, Ishikawa, Y, Uchimura K, Nadanaka S, Kitagawa H, Medel Manuel L. Zulueta, Anandaraju Bandaru, Tamura J, Shang-Cheng Hung, Kadomatsu K.
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Journal Title
Nat Chem Biol.
Volume: 15
Pages: 699-709.
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Fructose increases the activity of sodium hydrogen exchanger in renal proximal tubules that is dependent on ketohexokinase.2019
Author(s)
Hayasaki T, Ishimoto T, Doke T, Hirayama A, Soga T, Furuhashi K, Kato N, Kosugi T, Tsuboi N, Lanaspa MA, Johnson RJ, Maruyama S, Kadomatsu K.
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Journal Title
J Nutr Biochem.
Volume: 71
Pages: 54-62.
DOI
Peer Reviewed
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