2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the regulatory mechanism of epigenetic factors in retinal cell differentiation
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19H03420
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
大森 義裕 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90469651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 網膜 / 脊椎動物モデル / エピジェネティクス / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜は視覚を司る神経組織であるが、その1細胞レベルでの遺伝子発現の詳細やエピジェネティックな遺伝子制御による遺伝子発現変化のメカニズムは十分に明らかになっていない。また、網膜色素変性症は根本的な治療法が確立していない難病であり、その発症メカニズムや診断法、治療法の確立が望まれている。本研究では、脊椎動物モデルを用いて数十種類の神経細胞を含む複雑な神経組織である網膜におけるエピジェネティック因子による制御メカニズムを解明することを目的とする。令和2年度は、令和元年度までに確立したシングルセル解析の手法を用いて、解析を行う個体数を増やし網膜細胞のデータを取得し詳細な解析を行った。同時にバルクRNA-seqを行ってシングルセル解析で行った結果と比較することでシングルセル解析の優位性を確認した。また、エピジェネティックな情報が得られるATACseq解析も行った。ATACseq解析は当初、実験が成功しなかったが、細胞分離の処理方法を改善することにより研究が進展した。令和3年度は、これまでに得られたシングルセルRNAseqのデータと、バルクRNAseqのデータ、ATACseqのデータを統合して正常網膜における細胞の遺伝子発現とエピジェネティックな遺伝子発現制御機構のwet解析およびdry解析を実施する。これらの情報を統合してバイオインフォマティクスにより分子メカニズムの解明を行う予定である。得られた知見を国際学術論文として発表する準備をすすめるとともに、英語による学会発表を行い国内外に研究成果を発信する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は、令和元年度までに確立したシングルセル解析の手法を用いて、解析を行う個体数を増やし網膜細胞のデータを取得し詳細な解析を行った。網膜変性を示す動物系統にも同手法を適用し、シングルセル解析を複数個体行った。この解析により網膜変性が引き起こされるメカニズムの解明を進めることが目的である。同時にバルクRNA-seqを行ってシングルセル解析で行った結果と比較することでシングルセル解析の優位性を確認した。また、エピジェネティックな情報が得られるATACseq解析も行った。ATACseq解析は当初、実験が成功しなかったが、細胞分離の処理方法を改善することにより研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、これまでに得られたシングルセルRNAseqのデータと、バルクRNAseqのデータ、ATACseqのデータを統合して正常網膜における細胞の遺伝子発現とエピジェネティックな遺伝子発現制御機構のwet解析およびdry解析を実施する。これらの情報を統合してバイオインフォマティクスによりメカニズムの解明を行う予定である。得られた知見を国際学術論文として発表する準備をすすめるとともに、英語による学会発表を行い国内外に研究成果を発信する。また、一般向けに遺伝学の著書を作成中であり(英文、日本文の両方)、本年度内に執筆を完了させ国内外に情報発信する予定である。
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[Journal Article] The Genetic Basis of Morphological Diversity in Domesticated Goldfish2020
Author(s)
Kon Tetsuo、Omori Yoshihiro、Fukuta Kentaro、Wada Hironori、Watanabe Masakatsu、Chen Zelin、Iwasaki Miki、Mishina Tappei、Matsuzaki Shin-ichiro S.、Yoshihara Daiki、Arakawa Jumpei、Kawakami Koichi、Toyoda Atsushi、Burgess Shawn M.、Noguchi Hideki、Furukawa Takahisa
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Journal Title
Current Biology
Volume: 30
Pages: 2260~2274.e6
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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