2020 Fiscal Year Annual Research Report
Paratransgenesis of disease vector mosquito by fungi, bacteria, and cellular symbiont
Project/Area Number |
19H03462
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嘉糠 洋陸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50342770)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大手 学 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20386717)
相内 大吾 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (50552783)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 蚊 / 細菌 / パラトランスジェネシス / セラチア菌 / 中腸 / マラリア原虫 / ハマダラカ / ヤブカ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、ハマダラカ体内でマラリア原虫(Plasmodium属)が中腸に侵入・通過する際、中腸ルーメン側に多鞭毛型セラチア菌(Serratia marcescens)が存在すると、マラリア原虫の中腸への侵入が阻害されることを見出している。パラトランスジェネシスは、蚊媒介性感染症の制御法としての社会実装を指向するものであり、その性質上、蚊集団内に第三者微生物が何らかの方式によって拡散することが必要となる。研究代表者らは、セラチア菌(HB3株)を腸管内に導入したネッタイシマカを、ケージ内の未感染ネッタイシマカ集団内に放飼したところ、同集団の個体のほとんどがセラチア菌に感染することを確認した。また、次世代の全ての個体が後腸内にセラチア菌を有しており、セラチア菌が効率的に集団内に拡散することを明らかにした。GFP発現セラチア菌(HB3株)を用いて、ハマダラカに対して同様の検討をおこなったところ、幼虫期に腸内に多数の菌体が存在することが確認され、セラチア菌の拡散様式は主に水が媒体になっている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セラチア菌の拡散機構について、当該年度の研究により、腸管依存性に水平伝播する仕組みが明らかになった。パラトランスジェネシスにおいて重要なデータが積み重なっており、概ね順調に 進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
病原体-蚊間相互作用のバランスにおいて、蚊に存在する真菌・細菌・細胞内共生微生物など他種の微生物が重要な役割を果たしている。微生物の介在により昆虫の性質を間接的に改変するパラトランスジェネシスにおいて、(1)蚊と(2)病原体、そして(3)他種微生物群の三者相互作用について、真菌、細菌、および細胞内共生微生物を対象に、研究計画通りに推進する。
|
Research Products
(2 results)