2021 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性・線維性微小環境による大腸がん転移促進機構の解明
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19H03498
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大島 浩子 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (80362515)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 転移 / 微小環境 / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究グループは、大腸がん発生に関与する4種類のドライバー遺伝子、Apc、Kras、Tgfbr2、Trp53の全てに、ヒト大腸がんで認められるのと同じ型の変異を導入したマウスを交配により作製し、腸管に発生した腫瘍組織からオルガノイドを樹立した(以下、AKTP細胞)。AKTP細胞は、脾臓移植により肝転移させる事が出来る。このモデルでは、免疫反応の正常なC57BL/6への移植が可能であり、ヒト大腸がん転移巣と類似した、線維芽細胞の増殖による間質増生と、マクロファージやリンパ球浸潤による炎症性微小環境形成が認められる。本研究では、このモデルを用いて、転移形成における宿主反応の関与について、炎症性微小環境形成、自然免疫反応、線維化形成に関連する分子の遺伝子欠損マウスを用いたオルガノイド移植実験を実施した。その結果、AKTP細胞の肝転移形成には、宿主側に存在する肝星細胞(hepatic stellate cell ; HSC)の活性化が関与していることを明らかにした。さらにメカニズム解明のため、AKTP細胞の培養上(AKTP-CM)、および対照として、転移能力のないAK細胞の上清(AK-CM)で、マウスより単離して不死化したHSC細胞を培養し、RNA sequenceを行い、IPA解析を行った。この結果、AKTP-CMで培養したHSC細胞で特異的に活性化する複数のシグナル経路が明らかとなった。これらの結果から、AKTPから分泌される因子が宿主側のHSC細胞を活性化し、それが転移巣形成に関わる可能性が示唆された。今後は、関与する因子やシグナルを阻害することで、転移能を抑制することができるかについて研究を発展させる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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