2019 Fiscal Year Annual Research Report
CD39ーCD73-アデノシンカスケードを制御する分子の探索と創薬への展開
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19H03509
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富岡 佳久 東北大学, 薬学研究科, 教授 (00282062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 宏樹 東北大学, 薬学研究科, 助教 (70423605)
松本 洋太郎 東北大学, 薬学研究科, 講師 (90420041)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CD73 / CD39 / 化合物ライブラリー |
Outline of Annual Research Achievements |
PD-1/PD-L1非依存的免疫抑制経路を標的とした新規がん免疫療法の低分子創薬を行うため、①CD73またはCD39の酵素活性を阻害あるいは上昇させる化合物をライブラリースクリーニングによって探索・評価すること、②リード化合物から有機化学的に構造展開し、酵素活性を指標に構造最適化を行うこと、③構造最適化した化合物をリンパ球混合培養系等によるin vitro細胞傷害評価系および担がんマウス等治療試験によるin vivo評価系において評価すること、によりCD73またはCD39の酵素活性を阻害あるいは上昇させるシーズ化合物を得ることを目的とした。 本年度は、CHO細胞を用いて発現したマウスCD73組換タンパク質を精製し、AMP脱リン酸化反応によって生じるリン酸をマラカイトグリーン比色定量法によって測定し、CD73エクト-5'-ヌクレオチダーゼ活性をin vitro評価できるスクリーニング系を構築した。BINDSの支援を得て提供された本研究科所有の低分子化合物ライブラリー6080化合物を10、3 µM最終濃度で段階的にスクリーニングし、マウスCD73の酵素活性を30%以上阻害する候補化合物13種を得た。これら候補化合物のヒトCD73交差性と選択性を評価するため、ヒトCD73、CD39、アルカリホスファターゼを調製し、各酵素による脱リン酸化反応への阻害効果についてマラカイトグリーンリン酸比色定量法とp-ニトロフェニルリン酸の比色定量法でスクリーニングした。その結果、全ての候補化合物がヒトCD73を阻害し、2種の候補化合物がヒトCD39も阻害した。一方、アルカリホスファターゼに対する阻害効果はいずれの候補化合物でも認められなかった。候補化合物のヒトCD73阻害様式について予備検討したところ、いずれの化合物も非競合型の阻害様式であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化合物ライブラリーのスクリーニング、候補化合物の絞り込み、評価系の構築など順調に行えている。なお、次年度始めは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、大学内での研究が制限されている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に準じて実施する。
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Research Products
(3 results)