2019 Fiscal Year Annual Research Report
Specific immune responses against tumor antigens in long term survivors of cancer
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19H03528
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
松下 博和 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, 分野長 (80597782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋田 豊明 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (80250249)
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (80273358)
谷田部 恭 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (90280809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺癌 / 長期生存 / ネオアンチゲン / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん種を問わず、一定の割合で長期生存がん患者が存在する。遺伝子変異由来の新生抗原(ネオアンチゲン)に対する免疫応答が、患者の長期生存に寄与している可能性がある。本研究では、長期生存肺がん患者を対象とし、手術(生検)時に採取された腫瘍から全エクソーム/RNAシーケンスを実施し、in silicoのアルゴリズムを用いて遺伝子変異由来のネオアンチゲンを予測する。患者の外来来院時に採血を行い、分離した末梢血単核球(PBMC)から、予測したネオアンチゲンに対する長期生存メモリーT細胞を、フローサイトメトリー、T細胞受容体(TCR)レパトア解析等で検出する。また、T細胞の認識するネオアンチゲンの特徴や腫瘍内の免疫関連遺伝子発現の検討する。さらに腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の免疫組織化学染色による病理学的な検討を加え、早期再発症例(コントロール)と比較することで、長期生存肺がん患者の抗腫瘍免疫応答を統合的に評価する。 まず、本研究を愛知県がんセンターの倫理審査委員会に諮り承認された(研究課題名:長期生存がん患者におけるがん抗原特異的免疫応答の検討(受付番号2019-2-8))。次に、当センター呼吸器内科で免疫チェックポイント阻害剤治療を受けた患者で、長期生存患者(治療開始日より、5年が経過しようとしている患者)のリストを作成し、臨床情報をまとめた。今後1年の間に、5年生存を超える症例の候補が23例存在した。現在、6カ月ごとに当センター外来を受診しているため、該当症例から採血を順次実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の臨床科(呼吸器内科)や病理部との実施体制の整備、倫理審査委員会の申請、対象患者(免疫チェックポイント阻害剤のレスポンダーで、令和2年度以降に5年以上の長期生存がん患者になる見込みの患者)のリストの作成に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したリストに従って、患者の外来日を事前に確認し、通常の血液検査に上乗せして研究用採血を実施する。半年ごとの来院で計2回実施できた症例では、その患者の手術・生検時の凍結検体あるいはFFPE検体からDNA、RNAを抽出し、エクソームシーケンス、RNAシーケンス、TCRレパトア解析を実施する。 ミスセンス変異、ナンセンス変異や挿入/欠失によるフレームシフトから生じる異常なタンパク由来の候補ネオエピトープをin silicoのアルゴリズム(NetMHCpan)を用いて同定する。MHCクラスIエピトープの順位付けにより上位20個の抗原に対してペプチドを合成する。末梢血より誘導したB細胞を抗原提示細胞(APC)とし、ネオ抗原ペプチドをAPCにパルスしてPBMCを刺激する。ネオ抗原特異的T細胞をIFN-gammaの産生によりフローサイトメトリーで検出しシングルセルソーティングを行う。腫瘍のTCRレパトアと比較することで、抗原特異的なTCRを同定する。 また、長期生存肺がん患者と、早期に再発をきたした予後不良症例で、初回手術(生検)時のネオアンチゲンの多寡および特徴、腫瘍内の免疫関連遺伝子発現、腫瘍浸潤リンパ球の病理学的所見を比較検討する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Different immunological effects of the molecular targeted agents sunitinib, everolimus and temsirolimus in patients with renal cell carcinoma.2020
Author(s)
Kobayashi Y, Yamada D, Kawai T, Sato Y, Teshima T, Yamada Y, Nakamura M, Suzuki M, Matsumoto A, Nakagawa T, Hosoi A, Nagaoka K, Karasaki T, Matsushita H, Kume H, Kakimi K.
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Journal Title
Int J Oncol.
Volume: 56
Pages: 999-1013
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Neoantigen Expression Revealed by Longitudinal Multiomics as a Possible Immune Evasion Mechanism in Glioma.2019
Author(s)
Nejo T, Matsushita H, Karasaki T, Nomura M, Saito K, Tanaka S, Takayanagi S, Hana T, Takahashi S, Kitagawa Y, Koike T, Kobayashi Y, Nagae G, Yamamoto S, Ueda H, Tatsuno K, Narita Y, Nagane M, Ueki K, Nishikawa R, Aburatani H, Mukasa A, Saito N, Kakimi K.
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Journal Title
Cancer Immunol Res.
Volume: 7
Pages: 1148-1161
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Serum Antibody Against NY-ESO-1 and XAGE1 Antigens Potentially Predicts Clinical Responses to Anti-Programmed Cell Death-1 Therapy in NSCLC.2019
Author(s)
Ohue Y, Kurose K, Karasaki T, Isobe M, Yamaoka T, Futami J, Irei I, Masuda T, Fukuda M, Kinoshita A, Matsushita H, Shimizu K, Nakata M, Hattori N, Yamaguchi H, Fukuda M, Nozawa R, Kakimi K, Oka M.
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Journal Title
J Thorac Oncol.
Volume: 14
Pages: 2071-2083
DOI
Peer Reviewed
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