2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Real-Time Neutron Monitor to Measure Neutron Beam at Accelerator-Based Boron Neutron Capture Therapy System in Hospitals
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19H03611
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
高田 真志 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 教授 (50291109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90243609)
田中 浩基 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70391274)
梶本 剛 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (70633759)
中村 哲志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医学物理専門職 (20638374)
増田 明彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70549899)
松本 哲郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70415793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性子 / シリコンダイオード / リアルタイム / ガンマ線 / がん治療 / ビームモニター |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線がん治療法の一つであるホウ素中性子捕捉療法は、大強度中性子ビーム計測を必要とする。現在、患者に照射される中性子量は金放射化法を用いてオフラインで計測評価されているが、このオフライン手法は照射粒子ビーム強度変動や中性子発生ターゲット損耗により変化する中性子発生量を追随して計測できない。この中性子ビームをリアルタイムに計測することが要望されている。がん治療用中性子ビームに混在する大強度ガンマ線も確実に識別しなければならない。この中性子発生量の変動をリアルタイムに計測可能な薄型シリコン半導体素子を用いた中性子モニターを開発した。この測定器の中性子に対する検出効率や大強度中性子やガンマ線に対する特性評価を実験とシミュレーションで実施した。 熱中性子に対する応答特性を産業技術総合研究所の黒鉛パイル場内で実測し、モンテカルロ法を用いたシミュレーション結果と比較検討することでリアルタイム中性子検出器の特性を明らかにした。がん治療中も常時中性子ビーム照射量をリアルタイムにモニターできるように、中性子測定器をターゲットそばに設置した。中性子ビームをリアルタイムに計測できることを見出した。シリコン半導体素子は中性子損傷の影響を受けやすいため、実運用可能な日数を事前に調べた。長期間にわたる計測量の変化を実中性子ビームを用いて調査した結果、十分なターゲット運用期間中性子ビームを計測できることを見出した。これらの研究成果より、がん治療中性子ビームをリアルタイムにモニターできることが分かった。中性子コンバーターの厚みにより中性子検出感度を任意に調整できることを見出し、中性子強度に応じたリアルタイム中性子検出器を供給できるようになった。大強度ガンマ線に対する応答特性を実験的に評価した結果、数10Sv/hのガンマ線環境下であったも測定器はガンマ線を計測でき、中性子と識別できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中性子ホウ素捕捉療法で患者に照射される中性子ビームをリアルタイムにガンマ線と識別可能な中性子測定器を開発し、その特性評価を実験とシミュレーションを用いて実施した。熱中性子に対する応答特性を産業技術総合研究所の黒鉛パイル場内で実測し、モンテカルロ法を用いたシミュレーションで比較検討することでリアルタイム中性子検出器の特性を明らかにした。中性子測定器を、常時中性子ビーム照射量をリアルタイムモニターできるようにターゲットそばに設置し、その運用可能性を見出すことができた。長期運用に向けた計測を行った結果、実運用に耐えられることを見出した。中性子コンバーターの厚みにより中性子検出感度を任意に調整できること見出し、中性子強度に応じたリアルタイム中性子検出器を供給できるようになった。大強度ガンマ線に対する応答特性を実験的に評価した結果、数10Sv/hのガンマ線環境下であったも測定器はガンマ線を計測でき、中性子と識別できることが分かった。中性子測定器の中性子による放射化の影響も調べることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子ホウ素捕捉療法用リアルタイム中性子ビームモニターの信頼性を高めるために、患者に照射される中性子ビーム強度との相関を実験的に評価し、中性子ビームを正確にモニターできていることを示す。別計測手法により中性子とガンマ線強度も計測し、リアルタイム中性子モニターの計測量の妥当性を評価する。これまでに得られた研究成果を投稿論文としてまとめていく。
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Research Products
(3 results)