2021 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型先制医療実現のための肺高血圧症病因蛋白群の抽出と治療法開発
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19H03647
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 公雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (80436120)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺動脈性肺高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、依然として内科的根治療法のない致死性疾患である。病態の基盤は肺動脈血管平滑筋細胞の癌類似の増殖性亢進にあるが、その機序も不明であり、病因蛋白の探索と病態に根差した根本的治療薬の開発が求められている。肺移植施設である東北大学病院は重症患者を多く抱え、肺血管拡張薬の多剤併用療法によっても助けられない症例が依然多く、基礎研究とその臨床応用研究を長年継続してきた。これまで、ライブラリー化した患者由来の肺組織や肺動脈血管平滑筋細胞を用いて網羅的オミックス解析や候補遺伝子・病因蛋白の大規模スクリーニングを行い、PAH病因蛋白群を発見した。最初に発見したSelenoprotein Pについては血液中で測定可能な分泌蛋白であり、血管平滑筋細胞で欠損させることにより、PAHを改善することに成功した (Circulation 2018)。次に発見したADAMTS8についても、右室機能低下との関連も確認された(Circulation Research 2019)。そこで本研究では、以上の知見に基づき、全く新しいPAHの早期診断技術開発とアカデミア創薬の臨床応用を目指すこととした。2019年度は、セレノプロテインPについての新しい独自の診断試薬開発に成功した(ATVB 2019)。また、セレノプロテインPの発現抑制を指標にした創薬スクリーニングによって、天然化合物数種類を見出している。この低分子化合物は、肺高血圧モデルラットでの治療効果を示し、肺組織でのセレノプロテインP発現レベルを低下させることが分かった。一方で、ADAMTS8の発現を低下させる低分子化合物のスクリーニングも実施し、二種類の化合物を発見した。これらも、動物モデルでの治療効果を確認し、特許出願を行った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)