2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multimodal immunotherapeutic strategy for refractory gastrointestinal cancer
Project/Area Number |
19H03734
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
赤堀 宇広 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (10423922)
高木 忠隆 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20833700)
中村 広太 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30790802) [Withdrawn]
中川 顕志 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30812341)
長井 美奈子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80646092)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 難治性消化器癌 / 免疫治療 / 放射線治療 / 治療抵抗性 / CD200 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は研究計画に基づいて研究を遂行した. 膵癌,胃癌,大腸癌肝転移等の当教室で経験した切除症例を用いて,腫瘍細胞のCD200発現を免疫組織染色にて臨床的意義を検討した.また,腫瘍内浸潤T細胞(TIL)についても同様に免疫 組織染色にて検討した.概ね一致した普遍的な結果を得た.すなわち,術前治療施行例では非施行例 に比して,有意にCD200発現が高く,またCD200発現陽性群の予後は陰性群に比して有意に不良であった.また,CD4, CD8,CD45RO陽性TILは,CD200陽性群で陰性群に比してい ずれも有意に少なかった.以上から様々な難治性消化器癌において,CD200は宿主免疫回避機構に影響し,さらには術前治療等による治療抵抗性に関わっていることが示唆さ れた.したがって,新たな消化器癌治療におけるバイオマーカーとなるとともに,治療標的分子としても有用である可能性が示された. 2021年度は上記の結果を元にさらに研究を発展させ,普遍性の検証を行うことを計画している.さらにin vitroおよびin vivoでの検討を進めて,臨床応用を目指した詳細な機序の解明を順次進めていく予定である.in vivoでは野生型マウスを用いた同系癌移植モデルでの検討とともに,ヒト化マウスを用いて,実際に得られた臨床検体の移植モデルの検討による個別治療の可能性も探究していく.これまでのところのpreliminaryな研究結果からは,本研究で想定した仮説に概ね一致した結果が得られており,今後は統計学的解析を含めて,論文発表を行なっていく予定である.新たな免疫分子との相関,関連性の解明やCD200阻害と免疫治療や化学療法,さらには放射線治療との併用療法の相乗効果を慎重にすすめていく予定.得られた結果に基づき,創薬にも繋げていきたいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って,順調に計画を進めることができている. 引き続き,研究内容の統計学的解析と検証を行いながら,研究を進めていく予定である. 第一報の英文論文発表も完了し,さらに続報も投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進んでいるため,引き続き,研究計画に沿って,研究を推進していく予定である. 新たな課題が見つかった場合には,他機関や他の研究者へのコンサルテーションを行い,適宜解決していくことも想定している.
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Research Products
(3 results)