2020 Fiscal Year Annual Research Report
Why is prognosis of lung transplant recipient from elderly donors poor? –Elucidation of mechanisms and establishment of therapeutic intervention strategy-
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19H03744
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 安史 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (00455833)
藤野 直也 東北大学, 大学病院, 助教 (10633670)
大河内 眞也 東北大学, 事業支援機構, 講師 (40375035)
大石 久 東北大学, 大学病院, 助教 (60451580)
野田 雅史 東北大学, 大学病院, 講師 (70400356)
兼平 雅彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90374941)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺移植 / 虚血・再灌流傷害 / 高齢 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢ドナーから提供された肺が、虚血・再灌流ならびにアロ免疫反応というストレスに晒された際に発現が亢進または減弱する分子をスクリーニングし、高齢 肺に特徴的な分子生物学的動態を明らかにすること目的として研究を行なった。 2020年度も前年度に引き続き、高齢肺の虚血・再灌流負荷への反応を検討した。雄性 C57BL/6Jマウスを人工呼吸器に接続後、左開胸して左肺動脈、左肺静脈および左主気管支を90分遮断し、虚血・再灌流傷害を誘発した。マウスを再灌流後1時間、1日、3日、7日、28日で犠牲死せしめ、左肺を摘出し、肺湿乾重量比の測定と病理学的 検索を行った。実験群として、生後8週のマウス(幼若群)、生後24ヶ月マウス(老年群)を設けた。 虚血・再灌流後1時間、1日において、両群ともにsham群(開胸だけの群)に比較し肺湿乾重量比は増加していた。その増加の程度は、高齢肺の方がより顕著であった。また、若年肺では虚血・再灌流後3日目には肺湿乾重量比がsham群と同程度となっていたが、高齢肺ではsham群に比べ増加していた。肺の病理学的な検索では、1時間、1日で浮腫と好中球浸潤が高齢肺で有意に顕著であった。両群の肺組織をRNAシークエンス解析へ提出済みである。 以上のことから、高齢肺では若年肺に比べ虚血・再灌流に伴う肺水腫がより顕著に発生し、またそれが遷延することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、虚血・再灌流負荷に対する耐性を、高齢肺と若年肺で比較した研究はほとんどないが、本研究の結果から、高齢肺においては、虚血・再灌流負荷後の肺水腫がより顕著に生じ、さらにそれが遷延することが明らかになった。この結果は、申請者らの当初の仮説とほぼ合致するものであった。両群の肺組織をRNAシークエンス解析へ提出済みであり、上記の違いをもたらす遺伝子プリファイリングの解析も進むものと期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、虚血・再灌流というストレスに晒された際に発現が亢進または減弱する分子をRNAシークエンスでスクリーニングし、高齢肺に特徴的な分子生物学的動態を明らかにする。差異が顕著であった分子をピックアップして、RT-qPCR法にて遺伝子発現の違いの確認を進める。また、虚血・再灌流負荷後28日での病理学的な解析を進めるとともに、慢性期の遺伝子発現の違いについての解析も進める予定である。
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