2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the novel therapy focused on damage-associated molecular patterns (DAMPs) for lung fibrosis-related diseases
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19H03746
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30397880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
冨田 秀太 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10372111)
宗 淳一 近畿大学, 医学部, 准教授 (90559890)
宮原 信明 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
諏澤 憲 岡山大学, 大学病院, 助教 (90839713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ダメージ関連分子パターン / RAGE / 肺線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、特発性肺線維症(IPF: idiopathic pulmonary fibrosis) 中心とした肺線維化の発症と増悪に導くダメージ関連分子パターン(DAMPs)・RAGE・線維化パスウェイの中心的分子を同定し、肺の異常線維化に関連した疾患・病態に対する新規治療法の開発を目的としている。 令和元年度はブレオマイシンによる肺線維症モデルマウスの作製プロトコールを確立し、抗S100A8/A9中和抗体の抗線維化作用の評価を行った。その結果として、抗S100A8/A9中和抗体投与により有意な肺線維化抑制効果が得られ、生存率の改善を認めた。また、線維芽細胞を用いてin vitroでの検討を行った。S100A8/9蛋白の刺激により線維芽細胞の増殖能は上昇し、下流の転写因子であるNF-κBの活性の上昇を認めた。さらに 抗S100A8/A9中和抗体投与により、活性型線維芽細胞のマーカーであるαSMAの発現低下、コラーゲン産生能の低下、NF-κBの活性の抑制効果を認めた。これらの結果は、抗S100A8/A9中和抗体が、線維芽細胞の活性化を抑制し、抗線維化治療法と有用であることを示すものと考えれられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitroおよびin vivoモデルを用いて、肺線維化に対するDAMPs標的治療・抗S100A8/A9中和抗体の有用性を明らかにした。したがって研究は概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
IPF患者等を対象に、ELISA法を用いて、血清DAMPs種の測定を行い、臨床における病勢診断指標(肺機能やCT所見、KL-6値)との関連・優位性を検討し、し、IPF急性増悪の早期診断など病勢予測診断法の開発につなげる。 また抗S100中和抗体治療による、線維芽細胞における遺伝子発現・蛋白リン酸化の変化を網羅的に解析することにより、RAGE・線維化パスウェイの詳細な分子経路を解明する。 さらに、肺の線維化に特化したS100A8/9以外のRAGE結合性DAMPsを網羅的に同定し、新たな治療標的を検索する。
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Research Products
(2 results)