2020 Fiscal Year Annual Research Report
重症病態での腸内細菌叢を介した免疫システム解明と腸内細菌叢再構築のための治療戦略
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19H03761
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 裕司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10791709)
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10813975)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
新谷 歩 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00724395)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / ICU / 集中治療 / 救急 / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1 侵襲早期の腸内細菌叢崩壊の病態解明:重症患者を対象にメタゲノム解析を用いて入院後一週間を中心に便検体を回収した。門レベルでの解析を行い、腸内細菌の変化を変数として統計解析を行った。最初の一週間で主な細菌であるBacteroidetes門、Firmicutes門の割合は著変し、その変化は5-7日でいったん平衡に達した。その後、Protebacteriaは変化することから菌交代が起こっていると考えられた。属レベルで解析を行うと、Blautia, Clostridium, Faecalibacteriumなどは減少し、Enterococcusは増加した。抗炎症に関連する腸内細菌は減少することから炎症反応が惹起されることが予想された。 研究2 腸内細菌叢異常(Dysbiosis)と全身性炎症反応との関連:侵襲時の腸内細菌叢の推移を評価した。腹膜炎マウスモデルの第1病日にはEnterobacteriaceaeが上昇した。第7病日には、回復に伴いLachnospiraceaeとRuminococcaceaeの割合が上昇していた。腸管組織の免疫担当細胞を評価したところ、制御性T細胞に相当するFoxp3+CD4+細胞の上昇がみられた。全身炎症反応に対して抗炎症反応が亢進して生体の均衡をとっていると推察された。 研究3 腸内細菌叢と免疫との関連:重症患者を対象に便と血液データ間との相関係数を検討した。便中Bacteroidetes、FirmicutesはCD4数と相関があった。便中IgAは、血中グロブリンと相関があった。以上より、腸内細菌叢が全身の免疫と関連する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究、臨床研究ともに予定通り実行している。
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Strategy for Future Research Activity |
①腸管が全身の免疫能におよぼすメカニズムの解明 ②腸管免疫と生体応答を引き起こす免疫担当細胞と全身の免疫能の変化 ③免疫能回復のための腸管内治療法の開発:腸内細菌叢を回復する治療(プロバイオティクス・シンバイオティクス・便移植)の全身免疫能への影響を検討する。
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Research Products
(4 results)