2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of malignancy, peritoneal dissemination and spread mechanism of ovarian cancer by interaction with peritoneal mesothelium.
Project/Area Number |
19H03797
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40224985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 広明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00345886)
芳川 修久 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60804747)
横井 暁 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30737135)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 卵巣がん / がん微小環境 / 中皮細胞 / マイクロRNA / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に引き続き多角的に難治性卵巣がんの悪性化機構の解明を行った。大きな成果としては、薬剤耐性に関わるマイクロRNAクラスターの発見と、YAP経路を介したその機能解明である(Yoshida K et al. Oncogene. 2021 Feb;40(7))。X染色体上のマイクロRNAクラスターの機能を示した初めての報告であり、その機能のオーバービューも総説として報告した。また中皮との関連も継続して解析を行っており、ケモカインと、MAPK経路の関係などを報告している(Yasui H et al., Clin Exp Metastasis. 2020 Feb;37(1). また、がん関連中皮細胞( CAM: cancer associated mesothelial cell)によるがん悪性化機構の解明である(Yoshihara et al. International Journalof Cancer. 2020)。CAMは卵巣癌細胞の接着、増殖を亢進させるだけでなく卵巣がん細胞と協働して浸潤し、抗アポトーシス作用を誘導してプラチナ耐性を生み出していることを発見した。またトランスクリプトーム解析により、PI3K/Akt/mTOR に代表される細胞増殖や細胞周期に関与する因子、上皮間葉転換や解糖系に関与する因子の関連が明らかとなり、同変化を臨床検体においても確認した。中皮細胞を介した機能は現在も検討中であり多角的にかつ同時進行で解析を行っている。今後も継続して卵巣癌微小環境における機能を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況は極めて良好である。上記研究実績の概要の項でも述べた通り、本研究の目的である、卵巣がん微小環境における細胞間相互作用を明らかにするという一端を達成し、さらに、未だ明らかにされていない卵巣がん悪性化・腹膜播種・進展機構の解明および治療標的の探索という目的に対し、インハウスの次世代シーケンサーを駆使することで解明することに成功した。予定外の事項は発生しておらず、今後さらに研究を展開する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策に関して当初の予定から変更はない。すでに解析が進んでいる研究が多数あり、次年度に公表できるだろう成果も予定している。また、本年度より本格的にエクソソームを解析を開始し、基礎的データの蓄積を行っている。すべての内容ではないにしろ、次年度中の成果報告を目指して進める。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] 進行卵巣癌におけるNotchシグナルを介した腫瘍内細胞極性の解明と標的化(英語)2020
Author(s)
吉原 雅人, 杉山 麻衣, 小屋 美博, 伊吉 祥平, 北見 和久, 宇野 枢, 茂木 一将, 田野 翔, 玉内 学志, 横井 暁, 芳川 修久, 那波 明宏, 梶山 広明
Organizer
第79回日本癌学会学術総会
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[Presentation] 活性型ビタミンDは腹膜の中皮間葉転換を阻害し、卵巣癌腹膜播種を抑制する(英語)2020
Author(s)
北見 和久, 吉原 雅人, 杉山 麻衣, 小屋 美博, 伊吉 祥平, 宇野 枢, 茂木 一将, 玉内 学志, 横井 暁, 芳川 修久, 那波 明宏, 梶山 広明
Organizer
第79回日本癌学会学術総会
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[Presentation] 卵巣癌の腹膜播種における腹膜中皮と脂肪組織の影響(英語)2020
Author(s)
茂木 一将, 吉原 雅人, 北見 和久, 伊吉 祥平, 宇野 枢, 田野 翔, 杉山 麻衣, 小屋 美博, 玉内 学志, 横井 暁, 芳川 修久, 那波 明宏, 梶山 広明
Organizer
第79回日本癌学会学術総会
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