2020 Fiscal Year Annual Research Report
Intracellular function and new extracellular signaling pathways of CCN proteins and their common molecular base
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19H03817
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滝川 正春 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 絵理子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
星島 光博 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30736567)
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90221936)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30322233)
江口 傑徳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20457229)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60613156)
鈴木 守 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (40280507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CCNタンパク質 / CCNファミリー / 軟骨 / 細胞内機能 / 細胞外小胞 / 神経-筋接合部 / LRP4 / Rab14 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.CCN2が細胞内でRab14 GTPase (Rab14)と結合して細胞内小胞輸送に関与するという意外な新機能、即ち、CCN2が細胞内でも機能するという驚くべき新事実を、Proximity ligation assay (PLA)法により、軟骨細胞内でのCCN2とRab14の結合をさらに確認することにより、論文として出版した。さらに、RXF1を介する軟骨細胞の飢餓状態でのCCN3の誘導が同細胞の生存を支持すること、CCN3が軟骨細胞のsenescenceのマーカーになること、軟骨細胞におけるFGF-1によるFGF-1の誘導とCCN2の抑制は転写因子FOXA1がCCN2とFGF1の両locusに結合することによること、また、CCN2の高発現が乳癌の浸潤や転移に決定的な役割を果たすことなど4報の論文を発表した。 2. CCNタンパク質の新情報ネットワーク:好転移性がん細胞が産生する細胞外ベジクル(EV)がCCN2とMMP3とを多量に含有し、このEVが血流を介して、遠隔組織の癌の増殖を増強すること、また、同EV(オンコゾーム)由来のMMP3が標的細胞中でCCN2を誘導することを見いだし、論文として発表した。 3.構造ー機能解析とその展開:① CCN2のCTドメインがLRP4の3番目のプロペラドメインと結合して、神経―筋接合部の運動神経終末でのアセチルコリンレセプターのクラスター形成におけるLRP4の作用を増強すること、シナプス形成と成熟を促進することを見いだし論文として発表した。② CCN2単独の代わりに、FGF2との複合体の結晶化を試みたが、両者を混合すると沈澱を生じ、未だ結晶化には成功していない。しかし、この問題はCCN2は中性よりでは沈澱しやすいので、複合体調製に塩基性タンパク質であるFGF2ではなく、他の酸性条件で溶解する結合因子を選択することで解決できると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブテーマ1のCCN2の意外な新機能に関しては、研究実績の概要にも記載したように前年度見いだしたCCN2が細胞内でRab14と結合して細胞内小胞輸送に関与するという事実、即ちCCN2が細胞内でも機能するという驚くべき新事実を、追加実験をして論文として発表できたことやその他3報の論文を発表できたことから予想以上に進展していると言える。 サブテーマ2については、CCN2がEVに搭載されて血流を介して遠隔組織で作用すること、すなわち、CCN2の新情報伝達機構を見いだし、これも研究期間2年目で論文として発表できたことから予想以上に進展していると言える。 サブテーマ3の構造―機能解析は、①神経―筋接合部という、従来のCCN2の発現局在や標的組織では予想もつかない部位で新たなCCN2結合因子としてLRP4を同定しその機能を明らかにしたこと、②もともと4年間の研究期間の後半に本格的実験行う計画であった立体構造解析は、現在のところ成功に至っていないが、条件検討の結果、多くの有用な情報が得られている点で、総合して判断すると、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
サブテーマ1: CCNタンパク質の新機能について:CCN2の細胞内機能については、Rab14と結合して、細胞質内で機能することは論文をして発表できたが、核―細胞質間については、シグナルペプチドを除去しHA-tagを連結したCcn2の発現プラスミドを未分化間葉系細胞に導入し発現させたところCCN2が核移行するのを見出しているので、この点を詳細に検討し、さらに、このCCN2の核移行現象が未分化間葉系細胞の筋線維芽細胞への分化を促進し、線維化促進に繋がるという仮説を立てこれを検証する。即ち、CCN2が核内においても作用するか否かを検討する。また、CCN2やCCN3以外のCCNタンパク質の新機能も追求する。さらに、CCN2がExportin1と結合して細胞質―核間移行に関与するという予備的知見を確かめるなどCCN2が細胞内で機能している他の事例についても検討する。 サブテーマ2: CCN2が細胞外ベジクルに搭載されて遠隔組織に到達して作用するというCCNタンパク質のEVを介するシグナル伝達という新規情報伝達機構の1例を論文として報告し、一応このサブテーマの目的は達成したが、さらに、EVで運ばれる際、EV中あるいはEV膜上のどのような分子と結合して運ばれるのかその分子機構の解明も試みる。また、関節を構成する関節軟骨、半月板、滑膜、骨の構成細胞間でEVが関節液等を介して情報ネットワークを形成しているかどうか、他のCCNファミリーメンバーではどうかなども明らかにする。 サブテーマ3: 構造ー機能解析とその展開について:さらに、構造―機能連関を明らかにすると共に、CCN2の立体構造の解析については、CCN2と同様、酸性で易溶性のタンパク質ないしはペプチドとの複合体の結晶化を試みる。
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[Presentation] Regulation of CCN3 gene expression by glycolytic activity in chondrocytes2020
Author(s)
Mizukawa, T., Nishida, T., Akashi, S., Kamioka, H., Takigawa, M., Kubota, S.
Organizer
The 9th International Orthodontic Congress (9th IOC)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Effect of melatonin on rhythmic gene expression in human articular chondrocytes2020
Author(s)
Fu, S., Kuwahara, M., Uchida, Y., Hyashi, D., Shimomura, Y., Takagaki, A., Nishida, T., Nakata, E., Furumatsu, T., Kondo, S., Maruyama, Y., Hattori, A., Kubota, S., Hattori, T.
Organizer
第93回日本生化学会大会
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[Presentation] Effect of melatonin on rhythmic gene expression in human articular cartilage2020
Author(s)
Fu, S., Kuwahara, M., Uchida, Y., Kondo, S., Hyashi, D., Shimomura, Y., Takagaki, A., Nishida, T., Maruyama, Y., Ikegami, M., Hattori, A., Kubota, S., Hattori, T.
Organizer
第38回日本骨代謝学会学術集会
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