2020 Fiscal Year Annual Research Report
新規シグナル伝達物質・活性イオウ分子種による骨リモデリング制御機構の解明
Project/Area Number |
19H03820
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20231798)
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20295132)
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨リモデリング / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 活性硫黄分子種 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨の形成・成長に関しては、これまでに、活性硫黄分子種が成長板軟骨において軟骨細胞の増殖を促すことで長管骨の成長に重要な役割を果たしていることを明らかにした。これは、活性硫黄分子種が骨の形成・成長を促すことを示唆する。そこで本年度は、成長した骨のリモデリングにおける活性硫黄分子種の機能を明らかにするために、それに関わる細胞として、骨吸収を担う破骨細胞の分化と骨形成を担う骨芽細胞の分化における活性硫黄分子種の役割を解析した。 初代培養マウス骨芽細胞において、活性硫黄分子種の産生酵素であるCARS2の遺伝子をノックダウンしたところ、骨芽細胞マーカー遺伝子の発現が低下し、石灰化も抑制された。したがって、活性硫黄分子種は、骨芽細胞による骨形成を正に制御することが示唆された。 続いて、骨吸収を担う破骨細胞の分化における活性硫黄分子種の役割を解析した。野生型およびCARS2遺伝子ヘテロ欠損マウスの骨髄マクロファージをRANKLで刺激し破骨細胞分化を誘導したところ、CARS2遺伝子欠損マクロファージの破骨細胞分化、特に分化の初期段階が抑制されていた。活性硫黄ドナーによりCARS2遺伝子欠損による破骨細胞分化が回復した。このことから、破骨細胞分化に活性硫黄分子種が必要であることは明らかとなった。活性硫黄分子種による破骨細胞分化促進メカニズムを解析したところ、カルシウム・カルシニューリン系の促進が機序の一つであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究により、骨のリモデリングに関わる骨芽細胞と破骨細胞の分化における活性硫黄分子種の機能を初めて明らかにすることができた。いずれの細胞においても、活性硫黄分子種産生酵素の発現を抑制することで分化が抑制されたことから、活性硫黄分子種は、骨形成および骨吸収のどちらも正に制御する内因性の物質であることが強く示唆された。中でも、破骨細胞分化の初期段階に活性硫黄分子種が必要であることが明らかとなった。RANK下流のシグナルの解析も進み、MAPキナーゼ経路はなく、カルシウム・カルシニューリン経路が活性硫黄分子種によって活性化されることを明らかにした。このように、新しい現象とそのメカニズムを明らかにしたことから、研究は順調に進行していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
活性硫黄分子種による破骨細胞の分化促進メカニズムについては、活性硫黄分子種の標的分子の同定に向けた研究を進める予定である。さらに、骨リモデリングにおける活性硫黄分子種の役割をin vivoで評価する予定である。骨吸収・骨形成ともに亢進する、卵巣摘出骨粗鬆症モデルおよび、骨形成が抑制されるステロイド誘導骨粗鬆症モデルを野生型および活性硫黄分子種産生酵素CARS2遺伝子のヘテロ欠損マウスで作製し、骨量の変化をμCTで評価する予定である。
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[Journal Article] Zoledronate promotes inflammatory cytokine expression in human CD14-positive monocytes among peripheral mononuclear cells in the presence of γδ T cells.2021
Author(s)
Takimoto R, Suzawa T, Yamada A, Sasa K, Miyamoto Y, Yoshimura K, Sasama Y, Tanaka M, Kinoshita M, Ikezaki K, Ichikawa M, Yamamoto M, Shirota T, Kamijo R
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Journal Title
Immunology
Volume: 162
Pages: 306-313
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Dental implant care and trouble among dependent patients based on the questionnaire survey among Japanese dental practitioners.2020
Author(s)
Sato Y, Koyama S, Ohkubo C, Ogura S, Kamijo R, Sato S, Aida J, Izumi Y, Atsumi M, Isobe A, Baba S, Ikumi N, Watanabe F
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Journal Title
BMC Oral Health
Volume: 20
Pages: 335-341
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Functional analysis of PTH1R variants found in primary failure of eruption.2020
Author(s)
Izumida E, Suzawa T, Miyamoto Y, Yamada A, Otsu M, Saito T, Yamaguchi T, Nishimura K, Ohtaka M, Nakanishi M, Yoshimura K, Sasa K, Takimoto R, Uyama R, Shirota T, Maki K, Kamijo R
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Journal Title
J Dent Res
Volume: 99
Pages: 429-436
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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