2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism on congenital abnormality in the maxillofacial region focusing on DNA repair mechanism
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19H03849
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 万騎男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30273692)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
柿原 嘉人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Reptin / DNA修復 / 顎顔面発生生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA分子の損傷は細胞の存在を危機に陥れるため、DNA修復機構は細胞生存に必要不可欠かつ重要なプロセスである。そこで、我々はDNA修復分子であるReptinに着目し、Reptinを上皮から特異的に除去したマウス(Reptinfl/fl;K14Cre)を作成した。Reptinfl/fl;K14Creマウスは、生後数時間で致死となった。通常は重層扁平上皮の認められるはずの頭部の皮膚表皮が、2層の上皮のみであった。上層はperidermであり、下層の基底細胞の有棘細胞層への分化が認められなかった。下層の上皮細胞にDNA損傷が確認された。この結果は、正常な胎仔の頭部皮膚発生において、DNAが損傷し、Reptinがそれを修復していることを示している。Reptinfl/fl;K14Creマウスの頭部表皮では細胞増殖が低下し、p53やp21が著しく上昇していた。そこで、Reptinfl/fl;K14Creマウスの頭部表皮の細胞増殖の停止は、DNA損傷とそれに続くp53やp21の上昇が原因であるかを検索するために、Reptinとp53 (Reptinfl/fl;K14Cre;p53-/-)、またはReptinとp21の(Reptinfl/fl;K14Cre;p21fl/fl)のダブルノックアウトを作成したところ、いずれのマウスの頭部表皮ともに表現型がレスキューされ、重層扁平上皮が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Reptinfl/fl;K14Creマウスの頭部表皮の表現型は、Reptin欠損によりDNAが損傷し、それによってp53やp21が上昇し、細胞増殖の停止に至ったためであることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果は、Reptinが頭部表皮の発生中に生じるDNAの損傷を修復していることを示唆している。これは、何らかの因子が、発生中の頭部表皮細胞のDNAに障害を与えていることを意味する。いかなる因子がDNAを損傷しているのかを検索する。
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