2020 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of adult lifestyle-related presymptomatic disease by a dynamic network marker derived from oral specimens
Project/Area Number |
19H03862
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00303983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
竹内 洋輝 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40572186)
玉川 裕夫 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (50127255)
天野 敦雄 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50193024)
坂中 哲人 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (90815557)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 唾液 / 歯肉溝滲出液 / メタボローム解析 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、大阪大学歯学部附属病院予防歯科での歯科外来業務が数ヶ月間停滞し、また、唾液を採取する臨床研究の実施が困難であったため、下記のような研究を実施した。 口腔領域の生活習慣病である歯周病の動的ネットワークバイオマーカー探索には、局所によって異なる歯周組織の炎症程度の一口腔単位での平均値を表現する吐出全唾液と、局所の歯肉縁下の状態を鋭敏に反映する歯肉溝滲出液の双方のメタボローム解析を実施することが望ましい。しかし、これまでに実施されているペリオペーパー(濾紙)を用いた歯肉溝滲出液の採取方法では、濾紙から放出されるブランク化合物に由来するバックグラウンドピークが多く検出され、また、濾紙に一部の歯肉溝滲出液由来化合物がトラップされたままとなるため、極微量しか採取されない健康人の歯肉溝滲出液を試料とした精密なメタボローム解析はほぼ不可能である。 そこで、濾紙を経由しない新たな歯肉溝滲出液サンプリング方法を独自に考案し、超微量歯肉溝滲出液を試料としたメタボローム解析法の開発を進めてきた。0.1~0.5 μL程度の超微量生体試料を用いる場合、20 μL程度の生体試料を用いる従来法と同様の前処理法でサンプル処理をすると、チューブなどから溶出してくるバックグラウンドノイズが全ピークに締める割合が非常に高くなる。そこで、この問題点を解決する新たなサンプル前処理法を考案し、現在までにほぼプロトコールは完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、大阪大学歯学部附属病院予防歯科での歯科外来業務が数ヶ月間停滞し、また、唾液を採取する臨床研究の実施が困難であった。 現在、口腔外バキュームを設置しPPEをフル装着することで、臨床研究の再開が可能となっているが、引き続き唾液や歯肉溝滲出液などの口腔由来生体試料の扱いには細心の注意を払う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、当初の目的通り、歯学部附属病院に来院する患者を被験者として、口腔内診査後、吐出全唾液と歯肉溝滲出液を経時的に3回以上採取し、それらのメタボロームデータを元にを歯周病の病態の変化を捉える動的ネットワークバイオマーカーを探索する予定にしている。 また、臨床研究データを用いた動的ネットワークバイオマーカー解析のトレーニングセットとして、歯周病菌Porphyromonas gingivalis に作用させることで同菌の表現型がプランクトニック状態からバイオフイルム 形成状態へと変化することが確かめられている化合物を作用させ、プランクトニック期~バイオフイルム 形成期~バイオフイルム 成熟期と大きく表現型が変化する時間軸に沿ったトランスクリプトームおよびメタボローム経時データを多点採取し、動的ネットワークバイオマーカー解析を実施する予定にしている。
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Research Products
(9 results)