2019 Fiscal Year Annual Research Report
合併症が再現でき消化管の層構造をもつ、安全な内視鏡治療手技モデルを開発する
Project/Area Number |
19H03864
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 武 東北大学, 大学病院, 助教 (30757886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 悠太郎 東北大学, 大学病院, 助手 (20755011)
加賀谷 豊 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90250779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シミュレーター / 内視鏡的止血術 / 内視鏡的粘膜下層剥離術 / 消化管 / 多層構造 / 医学教育 / 胃 |
Outline of Annual Research Achievements |
樹脂素材メーカーであるデンカ社と協力し、消化管を模した多層構造をもつ内視鏡的治療モデルを開発中である。また、基盤技術である樹脂を用いた潰瘍止血モデルの有効性を検証する教育介入研究を進めている。現時点で潰瘍止血モデルおよび内視鏡切除モデルにおいて、実際の止血や内視鏡切除に用いるデバイスを使用して通電実験、切除実験を繰り返しており、通電による処置が可能となりつつあるが、まだ管腔に貼付した際の処置の安定性やガスの発生の有無の確認など、教育的な検証実験に用いる段階までにはやや開きがあり試行錯誤を繰り返している。そして、デンカ社と共同で多層構造をもつ粘膜組織モデルの特許申請を行った。協力者であるデンカ社を含んでミーティングを行い、国内外の消化器領域の学会に参加し情報収集と現状のモデルの限界を確認した。国際的にも止血や内視鏡切除のトレーニングの需要は高い一方で、教育に使用できる資材の少なさに、学会主催のハンズオンセミナーでも課題であると認識されていることが明らかとなった。 今後着脱可能なモデルとそれを貼付する管腔側モデルの両方を実用化可能かつユーザーフレンドリーなスタイルにすべく、実験を重ねる。その際、消化器内科医のみならず医学教育の観点から中心、研究分担者と共に他領域のシミュレーターと比較している。従来から提案している3Dプリンタにこだわらず、安価でクリーン、耐久性と耐水性を満たす管腔側モデルの検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通りに進んでおり、基本的なコンセプトを含むモデルが形になりつつあり、特許申請も行った。一方で、きれいな見た目や組み立て方、実際の準備や運用などにはまだ課題が多い。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は基盤技術である潰瘍止血モデルと同様に、実際の医療者に対して学習効果を評価する検証研究を実施すべく、努めている。そのためには製品としての安定性や通電時の安全性などの確認を進める。最終年度に可能であれば検証結果まで報告したい。
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Remarks |
教育介入研究は現在継続実施中でUMINに登録しています。この研究の共同研究施設としてMcMaster大学と連携しています。
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