2020 Fiscal Year Annual Research Report
環境中化学物質による気管支喘息症の中心的役割としてのエクソソームとそのmiRNA
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19H03882
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻口 博聖 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00723090)
神林 康弘 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20345630)
早川 和一 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (40115267)
尾長谷 靖 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (40399762)
華山 力成 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (40403191)
中島 美紀 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (70266162)
原 章規 金沢大学, 医学系, 准教授 (70507045)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気管支喘息症 / 多環芳香族炭化水素類 / 大気汚染 / エクソソーム / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギーと炎症をクロストークする病態として化学物質による気管支喘息発症において好酸球から放出されるエクソソームとそのmiRNAの役割を解明するために、多環芳香族炭化水素類(PAH)の1つであるベンゾ[a]ピレン (BaP)曝露による気管支喘息発症マウス実験を行った。高IgE産生系マウスとして知られているBALB/cマウス8匹を1群として、4群、計32匹に対してBaP曝露群を感作群、非感作群の各群で設定し、気管支肺胞洗浄液(BALF)中から好酸球を分離し、エクソソームを抽出し、その数をナノ粒子カウンターでカウントした。さらに、エクソームからtotal RNAを抽出し、RNA量と大きさを測定した。さらに好酸球におけるエクソソームmiRNAの発現プロファイルを解析した。その結果、感作群とBaP群の間で、好酸球からエクソソームmiRNAのmiR-146などの発現プロファイルに対して交互作用が認められた。この結果は、PAHの中でもBaPが気管支喘息を発症する病態として、好酸球からエクソソームの役割が大きいことを示唆する結果であった。 また気管支喘息症の臨床疫学として気管支喘息患者でアトピー咳嗽を合併する患者40人の外来患者を石川県の病院においてリクルートした。被験者は毎日、咳、痰、喘鳴などの症状に関するアレルギー日記をつける一方、毎日、病院の屋上においてハイボリュームエアサンプラーを用いてPAHを測定した。今後は、BALFなどからの好酸球を分離し、エクソソームの関与を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレルギーと炎症をクロストークする病態として化学物質による気管支喘息発症において好酸球から放出されるエクソソームとそのmiRNAの役割を解明するために、動物実験によって、PAHのうち、BaPが気管支喘息を発症する病態として、好酸球からエクソソームの役割が大きいことを示唆する結果を得るなど、研究計画通りに研究が進んでいるため、「おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギーと炎症をクロストークする病態として化学物質による気管支喘息発症において好酸球から放出されるエクソソームとそのmiRNAの役割を解明するための研究計画として、動物実験を継続し、好酸球におけるエクソソームmiRNAの発現プロファイルの詳細を解析する。さらに臨床疫学を通してBALFなどからの好酸球を分離し、エクソソームの関与を調べる予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] 定期的運動をしている住民のタンパク質摂取量は睡眠の質と関連する:志賀研究の結果から2020
Author(s)
鈴木史彦, 宮城栄重, Nguen Thi Thu Thao, 清水由加里, 林宏一郎, 鈴木啓太, 笠原友子, 観音隆幸, 田嶋敦, 辻口博聖, 原章規, 中村裕之
Organizer
第48回北陸公衆衛生学会
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[Presentation] 血清25水酸化ビタミンD濃度と慢性疼痛の関係 -飲酒習慣の影響-2020
Author(s)
鈴木啓太, 辻口博聖, 宮城栄重, Nguen Thi Thu Thao, 原章規, 中村治紀, 清水由加里, 林宏一郎, 山田陽平, Nguen Minh Phat, 田尾裕一, 観音隆幸, 田嶋敦, 中村裕之
Organizer
第48回北陸公衆衛生学会