2022 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological study to clarify the relation between trace elements in hair and blood and developmental disorder
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19H03883
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野見山 哲生 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70286441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
當房 浩一 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (10741027)
稲葉 雄二 信州大学, 医学部, 特任教授 (30334890)
塚原 照臣 信州大学, 医学部, 教授(特定雇用) (50377652)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 微量金属 / 神経発達症 / 毛髪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体内金属、微量元素と神経発達相との関連を、症例対照研究、出生コホート研究という2つの研究手法により明らかにすることである。 前者は、神経発達症患者を対象、非神経発達症患者を対照とした症例対照研究であり、両者の毛髪中金属、微量元素の比較を行うものである。症例対照研究は200例を目途に神経発達障害患者と対照者を、長野県立こども病院において実施を予定した。しかし、コロナ禍の外来患者数の絶対的な減少により、患者・対照者は15例のリクルートにとどまった。2023年5月8日以降の新型コロナウィルス感染症の感染症法上の第5類の分類移行後も、絶対的な外来数の増加による目標数までの回復は困難であり、全50例を目途に、改めて病院内のリクルートを強化することを検討した。 後者は、研究代表者が所属する組織で、10万人の子どもとその両親を対象とし、環境中の化学物質曝露と健康との関連を調査するエコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)の甲信サブユニットセンター長を務めているが、当該調査に参加する学童調査(平成31年度より始まった8歳児調査)で実施するコンピュータを使った神経発達検査を実施することから、その結果と採血・毛髪採取を承諾した小児の血中・毛髪中金属・微量元素濃度を測定し、それらと神経発達症との関連について明らかにすることである。 2020年度、新型コロナウイルス感染症まん延により、エコチル調査内での学童期調査は一時的に中断しているが、2021年度に再開し、検体の採取は500例の目標に到達し、毛髪等の検体処理は終了、測定についても終了した。 今年度は、コロナ禍で遅延した症例対照研究について力点を注ぎ、新規の目標に向け、検体採取、測定を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、コロナ禍で遅延していたコホート研究の目標検体数500例の確保、検体処理、検体測定に注力し、2022年度中に測定まで終了し、最終年度である2023年度にまとめる以外のタスクは無く、計画は予定以上い進捗した。 一方で、症例対照研究は、コロナ禍での患者受診が圧倒的に減少し、現在までに200例を目標とした患者・対照数は15例(達成度 7.5%)にとどまっている。2023年度も回復が厳しく、目標数200の到達は困難であり、下方修正し50例を目途に、患者・対照者のリクルートを継続し、50例を超えても、年度終了間際までリクルートと検体処理、測定を続け、本来の目標に近づけたい。
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Strategy for Future Research Activity |
基盤となる調査のうち、コホート研究は、6か月以上早く終了し、目標を達成した。症例対照研究のリクルート対象病院と連携し、リクルート数を可能な限り増やせるよう、患者、医師関係を損なうことなく、進めていくことを確認した。研究成果が科学的な検証に耐えられるよう、最低50例、そこに可能な限りリクルート数確保に努めたい。 以上、コホート研究、症例対照研究を合わせて、総合的に毛髪中の微量元素(金属)と神経発達障害との関連について検討を進める。
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