2019 Fiscal Year Annual Research Report
Influenza vaccine effectiveness among young children with special reference to prevention of severity and influence of repeated vaccination
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19H03890
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福島 若葉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70420734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 佐依子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (40321939)
大藤 さとこ 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70433290)
加瀬 哲男 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (10175276)
近藤 亨子 大阪市立大学, 医学部・附属病院運営本部, 技術職員 (80420727)
伊藤 一弥 保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授(移行) (90768136)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インフルエンザ / ワクチン有効性 / 連続接種 / ウイルス排泄量 / 重症化予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)若年小児におけるインフルエンザワクチン接種の重症化予防効果を、「発病時の鼻汁中のウイルス排泄量低減」の側面から評価するための準備を行った。まず、インフルエンザの各亜型あるいは系統のウイルス遺伝子コピー数を算出する標準曲線を作成するため、real-time RT-PCR(以下、PCR)の標的遺伝子を含むプラスミドを作製した。次に、申請者らが2013/14~2017/18シーズンに実施した6歳未満小児におけるワクチン有効性調査で取得・保存している鼻汁吸引検体のうち、ウイルス排泄量(濃度)を測定するために再度PCRを行う検体を特定・整理した。また、測定結果が揃うまでの予備検討として、2014/15シーズン調査当時に実施したPCRの閾値に達するサイクル数(Ct値)の情報を代理変数とした分析を行ったところ、ワクチン接種により発病後の鼻汁中のウイルス排泄量が減少する傾向を認めた(第30回日本疫学会学術総会で発表)。
2)若年小児を対象に、複数シーズンに渡るインフルエンザワクチンの連続接種が発病予防効果に及ぼす影響を評価した。申請者らが2013/14~2017/18シーズンに実施した6歳未満小児におけるワクチン有効性調査のうち、対象者の「生後から現在まで」に渡る接種歴をもれなく把握している直近2シーズン(2016/17~2017/18)の情報を使用して分析した(当教室の博士課程大学院生である松本一寛も研究協力者として参画)。各調査シーズンに1~5歳であった1,995人を対象に、「現行シーズン(2016/17と2017/18)の接種回数:0/1/2回」と「前シーズン(2015/16と2016/17)の接種状況:なし/あり」を組み合わせた6カテゴリーで分析したところ、現行シーズンのワクチン有効率は、前シーズンの接種により減弱しなかった(第23回日本ワクチン学会学術集会で発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)インフルエンザワクチン接種の重症化予防効果を「発病時の鼻汁中のウイルス排泄量低減」の側面から評価する研究については、インフルエンザの各亜型あるいは系統のウイルス遺伝子コピー数を算出する標準曲線の作成に必要となる、PCRの標的遺伝子を含むプラスミドの作製を完了した。その後実施予定であったウイルス排泄量(濃度)の測定については、令和元(2019)年度に計画していた約650検体の測定を達成できなかった。この理由については、過去に実施済みの調査で取得し保存している既存試料の二次利用に関する倫理審査承認日が2019年9月26日となってしまったこと、2019年12月以降はインフルエンザ流行の開始と新型コロナウイルス感染症の影響により、研究分担施設である地方衛生研究所の本務が急増してしまったことなどの影響が挙げられる。しかし、過去に取得済みの既存情報を活用した予備検討を行うことで、適用すべき統計解析手法もほぼ確定できたことから、測定結果が揃えば、速やかに当初の計画に追いつくことができると考えている。
2)複数シーズンに渡るインフルエンザワクチンの連続接種が発病予防効果に及ぼす影響の評価については、令和元(2019)年度の計画をほぼ達成した。
以上1)2)を総合して、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)既存試料中のウイルス排泄量(濃度)の測定をすすめる。測定データが揃い次第、インフルエンザワクチン接種の重症化予防効果を「発病時の鼻汁中のウイルス排泄量低減」の側面から評価するためのデータ分析に着手する。
2)得られた結果を学術論文としてまとめ、投稿する。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] インフルエンザワクチン接種によるウイルス排泄量減少効果の検討2020
Author(s)
福島若葉, 加瀬哲男, 迎恵美子, 松本一寛, 森川佐依子, 廣井聡, 中田恵子, 前田章子, 伊藤一弥, 近藤亨子, 大藤さとこ, 廣田良夫, インフルエンザワクチン有効性モニタリンググループ
Organizer
第30回日本疫学会学術総会
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[Presentation] INFLUENZA VACCINE EFFECTIVENESS IN YOUNG JAPANESE CHILDREN OVER FIVE SEASONS2019
Author(s)
Fukushima W, Morikawa S, Fujioka M, Matsushita T, Kubota M, Yagi Y, Takechi T, Takasaki Y, Shindo S, Yamashita Y, Yokoyama T, Kiyomatsu Y, Hiroi S, Nakata K, Matsumoto K, Maeda A, Kondo K, Ito K, Kase T, Ohfuji S, Hirota Y
Organizer
OPTIONS X for the Control of Influenza
Int'l Joint Research
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[Presentation] 小児におけるインフルエンザワクチン有効性および連続接種の影響に関する検討 (2016/17および2017/18)2019
Author(s)
松本一寛, 福島若葉, 森川佐依子, 廣井聡, 中田恵子, 加瀬哲男, 大藤さとこ, 近藤亨子, 前田章子, 伊藤一弥, 廣田良夫, インフルエンザワクチン有効性モニタリンググループ
Organizer
第23回日本ワクチン学会学術集会