2019 Fiscal Year Annual Research Report
大規模環境疫学研究のためのライフコース統計解析手法の重点的開発と実データ適用
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19H03907
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹内 文乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80511196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 真梨 東邦大学, 医学部, 助教 (10574361)
大庭 幸治 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30422926)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 疫学統計 / ライフコース疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、従来の疫学的リスク評価(研究開始時点の曝露と将来の疾患の関連評価)を一般化し、生涯に渡るリスクの変遷を評価することを目的としたライスコース疫学の中でも、特に経時的にリスク因子への曝露が測定されている場合(時間依存性曝露)で文献収集および方法論の整理、実データ適用を実施した。 具体的には、Lagging exposure、Latency model、Time-varying exposure、Time-dependent exposure、Critical periods等の単語を用いて経時評価されている曝露が結果に与える影響を定量した論文を収集し、研究仮説をDAG(Directed acyclic graph、有効非巡回グラフ)として表現することで因果関係及び定量したいリスクを可視化し、同時モデル、や条件付きモデル、因果モデルとして整理した。 また、方法論の実データ適用として小規模なコホート研究データ(1700人の子どもを妊娠中から追跡を開始し、産まれた子どもが13歳になるまで追跡をすでに終えている出生コホート研究)を用いて上記手法を適用した。具体的には、疾患を5歳時点で何らかのアレルギー疾患を発症しているか否かとし、妊娠期から5歳まで3時点以上で測定されている環境因子(掃除や洗濯の頻度や絨毯の使用、空気清浄機や保湿剤等の利用頻度、有毛ペット保有の有無等)と、遺伝因子(両親や兄弟のアレルギー疾患の有無)、および興味あるリスク因子(離乳食開始時期)の関連をDAGで表現し、条件付きモデルおよび同時モデルを用いて興味あるリスク因子の直接的な影響や間接的な影響を分離したリスク評価を実施し、学会発表を実施した。 さらに、曝露およびアウトカムの軌跡(Trajectory)の分析について、軌跡解析(Trajectory analysis)を行っている文献の収集・整理を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、2019年度に以下3つのシナリオについて文献収集および方法論の整理、場合によってはシミュレーション研究を実施して、2020年度以降の実データ適用のための下準備を行うことを目標としていた。 ①経時的なリスク因子への曝露が測定されている場合 ②曝露と疾患状態が互いに影響しあって推移する場合 ③曝露状態の軌跡を推定しつつ結果に与える影響を評価する 2019年度中に①②③すべてについて文献収集及び方法論の整理は実施され、②については文献収集のみにとどまったが、③については文献収集及び基本的な記述を終えることができ、①については文献収集及び方法論的な整理に加えて、小規模な実データへの適用も実施したうえで学会発表(※)を終えることができたため、「おおむね順調に進展している」と評価した。 (※)Takeuchi A. Direct and Indirect Effect of Environmental Factors on Childhood Allergy with Repeatedly Measured Confounder and Intermediator Using Joint and Marginal Model. 29th International Biometric Conference, Barcelona. Spain, Jul8-13. 2018. Abstract#CS34-6.Takeuchi A. Cohort study and environmental exposure-recent progress in Japan-. 3rd International Conference on Econometrics and Statistics. Taichung, Taiwan, June 25-27. #EO326.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、以下3つのケースについて、実データ適用を見据えた方法論的拡張、具体的リサーチクエスチョンの確定およびシミュレーション研究を実施する ①経時的なリスク因子への曝露が測定されている場合のリスク評価 ②曝露と疾患状態が互いに影響しあって推移する場合のリスク評価 ③曝露状態の軌跡を推定しつつ結果に与える影響評価 また、最終的にデータ適用を目指すエコチル調査(子どもの環境と健康に関する全国調査)の4歳までのデータを整理し、実データ適用に耐えるかの確認およびデータセットづくりも並行して実施していく予定である。 学会発表については、世界的なCOVID-19蔓延の影響で夏から秋にかけての統計関連の国内・国際学会開催状況が不透明であるが、オンライン発表や誌上発表を目指して準備を進めたい。
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Research Products
(39 results)
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[Journal Article] JOIN trial: treatment outcome and recovery status of peripheral sensory neuropathy during a 3-year follow-up in patients receiving modified FOLFOX6 as adjuvant treatment for stage II/III colon cancer.2019
Author(s)
Yoshino T, Kotaka M, Shinozaki K, Touyama T, Manaka D, Matsui T, Ishigure K, Hasegawa J, Inoue K, Munemoto Y, Takagane A, Ishikawa H, Ishida H, Ogata Y, Oba K, Goto K, Sakamoto J, Maehara Y, Ohtsu A.
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Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol
Volume: 84(6)
Pages: 1269-1277
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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