2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a rubric to facilitate clinical judgment in nursing learners and a supporting program to create a clinical learning environment
Project/Area Number |
19H03926
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (00259194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 由加里 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (10290222)
土肥 美子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (10632747)
根岸 まゆみ 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (40816352)
北島 洋子 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (90582875)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臨床学習環境 / 臨床判断 / ルーブリック / 看護学習者 / 支援プログラム / 教育指導者 / 人材育成 / 国際情報交換(アメリカ合衆国) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護学習者の臨床判断の能力開発に活用できるようにラサター臨床判断ルーブリック(Lasater Clinical Judgment Rubric, 以下LCJR)日本語版の妥当性を検討し、臨床判断を拓く評価と臨床学習環境づくりに貢献できる教育指導者を支援するプログラムを開発することである。 LCJR日本語版の妥当性を検討するために、看護実践のシミュレーションシナリオに沿って、2020年10月と12月に看護系大学の4年次生7名を対象にシミュレーションを実施し、LCJR日本語版を用いて4名の観察者(臨床経験5年以上)が評価を行い、学生は自己評価を行った。その後、観察者と学生を対象にグループインタビューを行った。LCJR日本語版に関するグループインタビューでは、LCJR日本語版の活用について、1) 使いやすさと理解しやすさ、2) 使いにくさと理解しにくさ、3) 臨床判断能力の開発への効果的な活用(対象、場面、方法)、4) 気になった点、改善点、活用上の工夫などを聴取した。 また、看護学生や新人看護師における臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援への教育指導者のニーズを検討するために調査内容を検討した。検討結果をもとに臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援のニーズ調査を企画し、研究倫理審査を受け、承認された。全国の一般病床数200床以上の医療施設から無作為抽出法によって345か所の施設を抽出し、はがきの返送により協力の同意が得られた100施設からの回答に基づき、教育指導者(各部署で学生および新人の教育指導を行う看護職)1,137名を対象とした。無記名自記式質問紙を用いた郵送調査を実施した。返送用封筒と一緒に郵送し、質問紙に研究協力の同意の有無を記入してもらうことと質問紙の返送をもって同意を得たものとした。調査は2020年11月~2021年3月に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5年間の研究期間において、以下の5点: 1)本邦における看護学習者の臨床判断の評価基準という観点から、LCJR日本語版の妥当性の検討、2)看護学生や新人看護師における臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援への教育指導者のニーズ分析、3)グローカルな視座から看護学習者の臨床判断を拓く評価と臨床学習環境づくりに貢献できる教育指導者を支援するプログラムの構成、4)プログラムの方針の決定と計画(Plan)、実施・運用(Do)、点検・是正(Check)、見直し(Action)のPDCAサイクルの検討、5)教育指導者を対象にLCJR日本語版を教材に用いたプログラムの実施と評価を行うことを目指している。 2020年度は、LCJR日本語版の妥当性を検討するために、看護系大学の学生を対象に実施した看護実践のシミュレーションを観察者と学生がLCJR日本語版を用いて評価し、それぞれのグループインタビューを行った。また、全国の一般病床数200床以上の医療施設の教育指導者を対象とし、無記名自記式質問紙を用いた郵送調査を実施した。 また、2019年度に米国ホスピスを視察し、情報収集を行った結果をもとに論文にまとめ、同志社女子大学総合文化研究所紀要に公表した。本研究の概要を紹介するホームページを更新した (URL:http://www.nursing.osakafu-u.ac.jp/~hosoday/19h03926/)。 本研究は当初の計画に従い、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的を達成するため、以下の推進方策を定めている。本研究の成果を国内外の学会および専門誌への投稿、講演、教育活動を通して広く周知するとともに、ホームページを用いて社会に向けて公表する。研究プロセスにおいて、国内外の看護教育学を専門とする研究者より随時、助言を得ることとする。 1. 看護学生が行うシミュレーションを対象にLCJR日本語版の妥当性を検討し、臨床判断のアセスメントツールとして活用可能性を検討する。2021年度は、観察者と学生によるLCJR日本語版を用いたシミュレーションの評価データとインタビューデータの分析を進める。 2. 看護学生や新人看護師における臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援に関する教育指導者のニーズを調査し、分析する。2021年度は、臨床判断の能力開発や臨床学習環境づくりの支援のニーズ調査の分析を進める。 3. LCJR日本語版の妥当性と教育指導者のニーズ調査の結果にもとづき、グローカルな視座から看護学習者の臨床判断を拓く評価と臨床学習環境づくりに貢献できる教育指導者を支援するプログラムを構成する。2021年度は、教育指導者に向けた臨床学習環境づくり支援プログラムを構成する。 4. プログラム評価の理論と方法に則り、プログラム方針の決定と計画(Plan)、実施・運用(Do)、点検・是正(Check)、見直し(Action)のPDCAサイクルを検討する。検討内容にもとづき、教育指導者を対象にLCJR日本語版を教材に用いたプログラムを実施し、その効果を評価する。2021年度は、プログラム方針の決定とPDCAサイクルを検討する。
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Research Products
(3 results)