2020 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤脱毛時の頭皮悪化が予測できるウィッグ装着型ウェアラブル端末の開発
Project/Area Number |
19H03931
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内山 美枝子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10444184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 知江 (西澤知江) 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50579597)
柏 美智 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50747326)
坂上 百重 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50436771)
玉井 奈緒 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (80636788)
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
黒瀬 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (40397162)
坂井 さゆり 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40436770)
李 鎔範 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10334658)
飯島 淳彦 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00377186)
奥田 明子 (田所明子) 新潟大学, 医歯学系, 講師 (60454584)
小山 諭 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10323966)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脱毛頭皮 / 化学療法 / アピアランスケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、抗がん剤投与における頭皮の炎症レベルとの関連を見つけるために、①抗がん剤投与による頭皮炎症レベルの決定と②炎症レベルを教師データとし、入力データに頭皮状態の測定結果を採用した機械学習(人工知能の1つ)を、新潟大学ビックデータアクティベーションにて行うことで医学的なエビデンスをつけた抗がん剤投与中の頭皮の炎症レベルと頭皮状態の変化シグナルと関連を提示することを目的とし、時系列的に悪化が予測できるウィッグ装着型のウェアラブル端末の開発を最終目標としている。抗がん剤脱毛を有するがん患者が頭皮のかゆみや不快感を訴えるのは、梅雨時期などの外気湿度の上昇時や夏季の高温時、冬季の外気湿度の低い乾燥時といった外部環境が要因となる場合と、動作に伴う発汗時にその訴えが顕著になる。これは皮膚炎と同様に、抗がん剤投与による頭皮のバリア機構の低下に伴う外部刺激に対する感度の上昇が主たる要因である。その実現のためには、①抗がん剤投与中の頭皮から、頭皮状態の変化シグナルを検出できるか?②抗がん剤投与中の頭皮の炎症レベルは頭皮状態の変化シグナルと関連があるか?の2つの問いを明確にする必要がある。 その検証のため2019年度から実施している抗がん剤脱毛の頭皮の形態および状態の検証(①人工気候室を用いた環境条件における頭部環境の検証と実験②頭皮の形態的な特徴とウィッグ装着時の頭部状態抽出)を引き続き実施する。また今年度は医工学的手法と分子学的手法により頭皮の炎症レベルの策定を実施計画としている。脱毛頭皮の構造について脱毛時の頭皮構造と栄養血管について超音波画像装置を用いて変化を可視化の可能性を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度から実施している①については毛髪を有した健常者の測定を終え、指標の分析をしている。室内の温度の変化により、頭部環境の温湿度の上昇に数パターンが示された。また体表温度の顔面温度の上昇と頭部内の温湿度との関連の可能性が示唆された。①で対象としている20~50歳代の脱毛がありウィッグを装着している女性の調査に関して、Covid-19感染拡大のため被験者の公募は開始したが被験者の参加が極めて少ない状況のため、調査結果が得られない状況が続いている。②に関する頭皮構造の評価方法に関して、超音波画像の撮影自体が困難であり、頭皮の拡大画像による解析方法の方策と解析ソフトの開発を行っている。 また化学療法の副作用や栄養摂取と皮膚や頭皮の関与に関する観点の知見について分担研究者からの専門的知識の提供を受け実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
①の検証についてCovid-19の感染予防のための方策をとり、脱毛がありウィッグを装着している女性への公募に関して依頼方法の検討を重ね、被験者も徐々に増えてきたため、調査ができてきている。そのため次年度にかけて調査の実施をし、成果の公表に進めていくことを予定している。②検証については、超音波画像から頭皮拡大画像によるテクスチャー解析による検証の可能性が高いため、その方向性で検証していくための準備をしている。またスキンブロッティング法による頭皮炎症の検証に関する研究の実施に向けて、研究分担者との共同会議をしながら実施可能性の検討を進めている。①関して次年度は健常者を中心に公募し、測定調査を実施する。②については、当初は乳がんで化学療法を行っている女性を対象に横断的調査を行う予定であったが、形態の変化の検証のため縦断的な調査に変更し、測定指標の方策もあらためて検討していく。
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