2019 Fiscal Year Annual Research Report
The development of a nursing program to support the high quality medical treatment process of elderly cancer patiente who receive chemotherapy.
Project/Area Number |
19H03935
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 悦子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60305670)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
広瀬 会里 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (90269514)
尾沼 奈緒美 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (00295627)
吉田 彩 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10440249)
近藤 三由希 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (20805676)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん薬物療法 / 高齢者 / 看護師 / 育成プログラム / 看護実践能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、がん薬物療法を受ける高齢がん患者の質の高い療養過程を支援する看護師育成プログラムを構築し、その効果を看護師の看護実践能力に関する多面的な評価から明らかにすることを目的とする。 第1段階として、2019年度は、がん薬物療法を受ける高齢がん患者の質の高い療養過程を支援するために、看護師が獲得する必要がある看護実践能力を明確にすることを目的とした。がん看護専門看護師5名と老人看護専門看護師1名を対象とした個別面接調査、ならびにがん化学療法看護認定看護師8名を対象としたフォーカスグループインタビューを実施し、がん薬物療法を受ける高齢がん患者の看護における課題、およびがん薬物療法を受ける高齢がん患者の質の高い療養過程を支援するために看護師が獲得する必要がある看護実践能力についてデータを収集した。 内容分析の結果、課題については、【高齢者特有の生理機能・併存疾患による思わぬ有害事象発生のリスクがある】【安全ながん薬物療法の実施・管理が高齢者の要因によって難しい】など15カテゴリが抽出された。看護師が獲得する必要がある看護実践能力は、「知識」3カテゴリ、「態度」4カテゴリ、「アセスメント」8カテゴリ、「コミュニケーション」2カテゴリ、「ケア提供」15カテゴリ、計32カテゴリが抽出された。 2020年度は、第2段階として、獲得すべき看護実践能力について専門家の合意を得たうえで精選するために、デルファイ法を用いた質問紙調査を行う予定としている。そのため、2019年度は、面接調査で得られたカテゴリー、サブカテゴリーを基に、がん薬物療法を受ける高齢がん患者の質の高い療養過程を支援するために看護師が獲得する必要がある具体的な看護実践能力について、調査項目としてリスト化する段階で終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、がん薬物療法を受ける高齢がん患者の質の高い療養過程を支援するために、看護師が獲得する必要がある看護実践能力を明確にすることを目的とした。がん薬物療法を受ける高齢者の看護に携わる専門看護師や、がん化学療法看護認定看護師14名を対象とした面接調査を行い、看護師が獲得する必要がある看護実践能力に関する基礎資料を得ることができた。 2020年度に実施予定の第2段階では、獲得すべき看護実践能力について専門家の合意を得たうえで精選するために、デルファイ法による質問紙調査を行う。そして、デルファイ法で合意が得られた看護実践能力のリストを、教育プログラムの成果を評価するためのチェックリストとして使用する予定である。現在、デルファイ法による質問紙調査の調査項目に含める看護実践能力について、面接調査で得られたデータを基にリスト化している段階であり、研究計画からみておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、①デルファイ法による獲得すべき看護実践能力の精選、②第1段階で明らかにした看護実践能力を獲得するために必要な教育内容を文献検討を基に抽出することを目的とする。 ①デルファイ法による獲得すべき看護実践能力の精選。 第1段階で抽出した看護実践能力について、薬物療法を受ける高齢がん患者の質の高い療養生活を支援する看護師が獲得する必要がある実践能力として合意が得られるかを、デルファイ法を用いて専門家パネルに問い、その結果から看護実践能力を精選する。対象は看護実践能力抽出に協力が得られたがん看護専門看護師と老人看護専門看護師5名程度と、A地方のがん化学療法看護認定看護師200名程度とする。看護実践能力項目について、適切性・重要性・実施可能性・難易度の観点から5段階のリッカートスケールを用いて評価する。デルファイ法は2回(あるいは3回)の郵送による質問紙調査を行う。分析では、対象者のコンセンサスが得られたと判断する基準を80%とする。精選した看護実践能力リストは、教育プログラムにおいて獲得すべき看護実践能力(教育目標)として活用する。また教育プログラムによって看護実践能力が獲得できたか(前後比較用)のチェックリストとして活用する。 ②第1段階で明らかにした看護実践能力を獲得するために必要な教育内容を文献をもとに抽出する。 がん薬物療法を受ける高齢がん患者に対する看護の知見に関するシステマティック・レビューを行い、ベストプラクティスを集積する、と同時に、ガイドラインや書籍・文献等で必要な教育内容を抽出する。
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