2021 Fiscal Year Annual Research Report
対人関係療法をとりいれた摂食障害親子プログラム開発と地方都市支援ネットワーク創造
Project/Area Number |
19H03936
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
香月 富士日 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30361893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 敦朗 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10315880)
澤田 華世 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (10760770)
渡辺 範雄 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20464563)
近藤 真前 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30625223)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 家族会 / 家族支援 / 対人関係療法 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コホート研究デザインを用い、摂食障害患者の母親が家族会などのサポートを得ることで、家族システムの悪循環が改善され、結果的に患者の摂食障害症状改善に結びつくことを検証することを目的として研究を行った。フォロー期間は18か月間とした。 摂食障害と診断された患者とその母親を対象とし、札幌市、千葉市、名古屋市、福井市で参加者のリクルートを行い、3時点(初回・9か月後・18か月後)でアンケート調査を行った。アンケートは3回とも自宅に郵送し、記入後返送してもらった。患者への質問内容は、①摂食障害症状、②孤独感、③自尊心、④アサーション、⑤家族機能、母親へは、①自己効力感、②孤独感、③ソーシャルサポート、④抑うつ感、⑤傾聴力 ⑥不安感であった。分析は、各尺度の記述統計を行った後、18か月間の各変数の変化量について、共分散構造分析を用いて解析を行った。有意水準はP<0.05とした。 患者・母ともに回答の得られた57組(114名)のデータの解析を行った。母親へのサポートの増加、母親の傾聴態度の向上、患者のアサーティブな会話の増加、および患者のやせ願望の低下の間には有意な関係性がみられた(χ2/df=1.611, P=0.657, CFI=1.0, RMSEA = 0.0)。パス係数は1つを除き有意な値であった。 今回の調査結果は、摂食障害患者の母親に対してのサポートを増やすことで、母親と患者のコミュニケーションが増加し、そのことを介して、患者のやせ願望を低下させる可能性があることを示唆している。ただし、得られた対象者数が少なかったため、解釈は十分に検討する必要あり、引き続き十分なサンプル数を得て結果を考察する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19拡大の影響で対面のグループ介入の計画が立てられず、計画修正に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19の影響はまだ続くことが見込まれるため、対面の介入研究から計画を修正し、オンラインでの介入計画にする。オンライン介入が実施できるようなツールを整え、準備でき次第開始する予定である。
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