2019 Fiscal Year Annual Research Report
集住での豊かな看取りを可能にする包括的ケアマネジメントモデルの開発
Project/Area Number |
19H03964
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
大野 かおり 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20300361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 毅彦 明石工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (80262963)
山川 正信 宝塚大学, 看護学部, 教授 (70110567)
大村 佳代子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (30722839)
高橋 芙沙子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40780482)
西内 陽子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (00803743)
山本 大祐 関西医科大学, 看護学部, 助教 (10755820)
金 外淑 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (90331371)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 集住 / 看取り / 包括的ケアマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域包括ケアシステムの5つの要素(医療・介護・予防・生活支援・住まい)の視点から、高齢者向け住まい・施設(以下、集住)での豊かな看取りを可能にするための包括的ケアマネジメントモデルを開発することを目的としている。 2019年度は、①集住での豊かな看取りを可能にするための医療・介護連携モデル、②集住での豊かな看取りのためのインクルーシブなまちづくり方略、③地域特性に応じた集住のあり方、を検討するためのデータ収集を計画した。 集住施設での豊かな看取りを可能にする医療・介護連携モデルの実態調査では、様々な集住施設の管理者、施設スタッフ、医療者等を対象に、終末期ケアマネジメントのプロセスにおける医療と介護の連携についてインタビュー調査を行った。特別養護老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など合計20施設(都市部8、都市部以外12)より33名のサービス提供者を対象に調査した。結果、施設により看取りへの取り組みの特徴に違いはあるものの、看取り期早期から医療ニーズに対応することの難しさ、訪問看護など医療との連携強化やBSCに取り組める体制構築の必要性、施設の特徴を活かした適切なリロケーションの重要性が示唆された。また、研修やOJTによる知識・技術の向上が求められた。 インクルーシブなまちづくり方略では、多世代型介護付きシェアハウスやノーマライズタウン構想などユニークな取り組み(7施設)を調査するとともに、グラフィックファシリテーションを用いたシニアの人生の振り返りと看取りの場WS等を開催した。モノやサービスにも限界があり、それを埋めるものとして「人による対応」や地域における「人の繋がり」が必要であることがわかった。住まいとまちをつなぎ、人と人を紡ぐ住み方「住みつなぐ」、終末期においても「ここでの理想の暮らし」が送れる環境が求められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、①集住での豊かな看取りを可能にするための医療・介護連携モデル、②集住での豊かな看取りのためのインクルーシブなまちづくり方略、③地域特性に応じた集住のあり方、を検討するためのデータ収集を行った。 医療・介護連携モデルの実態調査では、都市部と都市部以外の地域差について検討できたが、本研究ではさらに地域特性を加味した包括的ケアマネジメントモデル作成を目指している。そのため、地域特性に応じた集住のあり方を検討するためデータ収集を行っていたが、後半、COVID-19感染拡大の影響によりフィールドワークを自粛し調査を中断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
地域特性に応じた集住のあり方を検討するためのデータ収集を完了し、2019年度の調査より得られたデータを合わせて、「集住での豊かな看取りを可能にするための包括的ケアマネジメントモデル(案)」を作成する。
|