2022 Fiscal Year Annual Research Report
Association of cognitive frailty and signal transduction disfunction.
Project/Area Number |
19H04044
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
遠藤 昌吾 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60192514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 修一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60469070)
新崎 智子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 技術員 (90645855)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知的フレイル / 包括的行動解析 / 加齢 / 老化 / シロスタゾール / 記憶 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
野生型マウスを用いて、フレイルモデルの構築を検討し、以下の結果を得た。マウスの包括的行動解析を用いて、3カ月齢-22カ月齢のオスマウスの行動(空間記憶、運動量、歩行、握力、不安など)を包括的に解析 した。解析した機能は全ての機能が同じような時間経過で障害されるわけではなく、また、各種機能障害と死亡率との相関は観察されなかった。 歩行機能(ローターロッドテスト)や握力機能(ワイヤーハングテスト)は6カ月齢付近から障害されるが、空間記憶(モリス水迷路課題、バーンズ迷路課 題)は、18カ月齢付近から急激に障害されることが明らかとなった。 特に認知的フレイルを反映すると考えられる記憶については、ヒトと同様に加齢がかなり進んでから障害が観察されること、また、必要な注意の種類により障 害程度の時間経過が異なることが明らかとなった。高度の注意が必要な陳述記憶(水迷路課題でプラットフォームの位置を思い出す課題)は18カ月齢付近から急激 に障害されるが、高度の注意が必要のない陳述記憶(プラットフォームが存在する4分領域を思い出す課題)は緩やかに障害されることが明らかになった。 生体で重要な役割を果たしているcAMP系の生理機能は加齢により低下することが明らかにされている。そこで、cAMPを分解するホスホジエステラーゼ3の選択的阻害剤シロスタゾールを長期投与して、認知的フレイルで障害を受ける記憶の改善を試みた。23か月齢マウスでは空間記憶が顕著に観察されるが、22カ月齢から1か月間シロスタゾールを投与することにより記憶が顕著に改善された。シロスタゾール投与マウスにおいて、脳内へのグルコースの取り込み増加、脳の炎症マーカーの低下が観察された。老化によるフレイルに伴うcAMP系の機能向上が認知機能を維持あるいは向上させる可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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