2020 Fiscal Year Annual Research Report
Basic and applied research of long-chained unsaturated fatty acid for preventing anti- arteriosclerosis
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19H04055
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阪上 浩 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60372645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 雅士 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (00803579)
堤 理恵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (80510172)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一価不飽和脂肪酸 / 動脈硬化 / TMAO / SCFA / GLP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、EPAやDHAとは異なるコレステロール低下作用などの代謝改善作用や動脈硬化を予防する作用を有する極長鎖一価不飽和脂肪酸を魚油から分離した。生活習慣病とその重症化予防に対する革新的な技術開発を目的に、その作用機序を解明するとともに標的分子を明らかとし、動脈硬化症への有効性の検証と分析法を確立するため、本年度は(1)から(3)の研究の課題に課題に取り組み、研究成果は以下の通りである。 (1)極長鎖一価不飽和脂肪酸の抗動脈硬化作用機序の解明:極長鎖一価不飽和脂肪酸を給餌した動脈硬化モデル動物から抗動脈硬化作用の標的分子として腸内細菌関連代謝物であるトリメチルアミン-N-オキシド(trimethylamine N-oxide、以下TMAO)を同定した。また腸内細菌叢の変化により短鎖脂肪酸(Short-Chain Fatty Acids、以下SCFA)が産生され、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を惹起されることを見出した。 (2)極長鎖一価不飽和脂肪酸の血管内皮機能に対する有効性確認試験の実施:2019年の「健常成人に対する有効性を検討する臨床試験」に引き続き、本年度は「境界型脂質異常を有する成人に対する有効性を検討する臨床第Ⅱ・Ⅲ相試験」を実施し、極長鎖一価不飽和脂肪酸の内皮機能改善作用への有効性を確認した。 (3)極長鎖一価不飽和脂肪酸分析の実施とヒト健常者の基準値調査:2019年度に有効成分である一価不飽和長鎖脂肪酸の臨床試験のサンプルの脂肪酸分析を質量分析にて実施して極長鎖一価不飽和脂肪酸(炭素数20または22の脂肪酸)の異性体として2種類の単離に成功したが、その技術的成果を高めと同時に、徳島県内陸の山間部と海岸部の健常ヒトサンプルで実施する準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
標的分子としてTMAOを同定し、さらには腸内細菌叢の変化から短鎖脂肪酸の誘導並びにGLP-1の分泌を励起することを見出した。加えて昨年実施した「ヒト二重盲検試験におけるオリーブオイルとの比較試験」において見出された内皮機能改善作用を合わせて、英文学術誌に報告した(Transl Res. 2021. online ahead of print)。これら新規な発見は当初予想していた以上の成果であり、さらに「境界型脂質異常を有する成人に対する有効性を検討する臨床第Ⅱ・Ⅲ相試験」を実施し、極長鎖一価不飽和脂肪酸の内皮機能改善作用への有効性を確認したことより、「当初の計画以上に進展している」と言える。また基準値の調査のための徳島県内陸の山間部と海岸部の健常ヒトサンプルで実施する準備が終了していることからも2021年度の研究実施によって、進捗状況は予想以上と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り研究計画を推進する。すなわち、極長鎖一価不飽和脂肪酸の抗動脈硬化作用機序の解明に関しては、明らかとされた標的分子であるTMAOや短鎖脂肪酸、GLP-1の発現制御機構を解明し、極長鎖一価不飽和脂肪酸の内皮細胞膜やラフト構造への作用を明らかとする。さらに、極長鎖一価不飽和脂肪酸の血管内皮機能に対する有効性確認試験の実施に関しては、EPAなどの既存脂肪酸との比較試験を実施するとともに、上乗せ効果を検討することで魚油由来の脂肪酸の動脈硬化の予防効果を明らかとする。極長鎖一価不飽和脂肪酸分析の実施とヒト健常者の基準値調査に関しては、一価不飽和長鎖脂肪酸分析を徳島県内陸の山間部と海岸部の健常ヒトサンプルで実施する。
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Research Products
(13 results)