2020 Fiscal Year Annual Research Report
Anammox細菌の機能分化を探る:実は多様なAnammox
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19H04241
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
黒岩 恵 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00761024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 英人 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (70359165)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | anammox / メタゲノム / 代謝ポテンシャル解析 / 15Nトレーサー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年3月に研究代表者の機関移動に伴い、リアクターの移設を行ったが、直後に新型コロナ流行に伴う緊急事態宣言が発令され、所属大学・研究機関へのアクセスが深刻に制限されたため、6月一杯までリアクターの安定化と最低限の維持のみを行った。7月以降、(1)リアクター移設に伴う菌叢への影響を確認するため、また、(2)研究活動が制限される時期が断続的に継続することを鑑み、当初予定からリアクターメタゲノムのデータ取得およびこの解析を重点的に行う方針に切り替えたために、移設したリアクター2基について、total DNAの抽出、前処理、シーケンス、データ取得および解析を複数回行った。 また、これまでに取得したゲノムデータおよびトレーサー活性試験の解析をすすめ、共著論文1報を投稿し、論文誌(DNA Research)に掲載された。この論文において、研究分担者および代表者らは、メタゲノムからの個別ゲノム復元により世界2例目となる完全なanammoxゲノムを構築し、報告した。また、複数のanammox不完全ゲノムおよび先立って報告がされた1つの完全ゲノムとの比較を行い、NO還元以降の過程はanammox微生物に共通して保有されているが、亜硝酸還元酵素の保有の有無およびその進化的な由来は多様であることを明らかにした。このことは、anammox細菌群に共通の真の機能的特性はNOとNH4+からN2を生成することであり、NO2-還元メカニズムおよび戦略はanammox細菌種によって多様かつ、共在細菌に依存する可能性が提示された。メタゲノム解析からは、脱窒細菌群集のNO還元能が低いことが示唆された。また、電子受容体としてNOを添加した場合、NO2-を電子受容体とする場合と遜色ないanammox活性が確認されたことからも、脱窒細菌が生成するNOをanammox細菌がN2生成に用いる仮説が支持された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍に伴う研究機関へのアクセスの制限・実験の実施や材料調達の遅れに伴い、リアクターの移設・立ち上げ・その後の試験に遅れが出た。 また、断続的に研究機関へのアクセスや実験の実施が制限される事態が続く状況を鑑み、研究内容について一部当初予定から変更を加えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に取得したメタゲノムデータの解析を進める。これまでの研究によって、NOを介した脱窒細菌とアナモックス細菌の協働がBrocadia属のanammox細菌において広く重要である可能性が提起された。したがって、脱窒細菌群集のNO生成能,NO消費能およびanammox細菌群集のアバンダンスとの関係を中心に解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)