2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and adaptation strategy on ecological and social consequences of tropicalization in coastal ecosystems
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19H04322
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
熊谷 直喜 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 研究員 (00714221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
G・MOLINOS JORGE 北海道大学, 北極域研究センター, 准教授 (30767281)
中村 洋平 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (60530483)
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80761064)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気候変動 / 熱帯化 / 群集シフト / 社会生態学 / 造礁サンゴ / 大型褐藻 / 磯焼け / 沿岸漁業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の遂行には野外調査が必須であるため、2020-2021年度はコロナ禍影響により深刻な制約を受けていた。しかし最終年度は情勢の改善に伴い当初計画に沿った構成で、大型褐藻と造礁サンゴ群集の野外潜水調査を実施することができた。さらに、本研究課題にとって不可欠だった社会経済学の現地調査を、野外潜水調査と同等の南北勾配・地域スケールにおいて、研究協力のスペイン・ヴィーゴ大学チームと共に最終的な実施に成功したことは最終年度の最大の成果といえる。 大型褐藻と造礁サンゴ群集の野外潜水調査は、大型褐藻の繁茂期に相当する5-6月の春期と衰退期に相当する10-11月において四国南西部の7地域にて実施した。また大型褐藻からサンゴへの群集シフトの駆動要因として、大型褐藻2種群を用いた摂食実験を同地域で浅所・深場の2水深で実施した。これらの結果と過年度のデータを合わせて、大型褐藻からサンゴへの群集シフトに関する緯度勾配・統合的な解析を行った。具体的には四国南西部沿岸の約100 km の直線距離内7地点間に見られる大きな水温勾配を温暖化の時系列に見立てつつ、これに加えて水深や開放・遮蔽環境、摂食圧の影響を解析した。その結果、群集構成を決める要因として、水温勾配だけでなく、開放・遮蔽環境や摂食圧のいずれもが重要であることが分かった。 社会経済学の現地調査は地域の協力者や管轄の各漁協、行政機関の協力・賛同を得て、野外潜水調査と同等の地域の6市町において、沿岸漁業を営む漁業者124名を対象とし、漁業への気候変動影響など環境影響、それらに対して講じてきた対策、収入への影響などについて聞き取り調査を行った。調査を2022年度末に行ったためまだ詳細な解析結果が得られていないが、南方地域ほど熱帯化影響が深刻であり、これまでの気候変動影響に対しても様々な対策を実施することで対応してきた歴史があること等が分かった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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